商道(サンド) 第41〜50話 あらすじ チスの自決とサンオクの「商道」

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第41〜50話は、チョン・チスが段階を踏んで崩れていく後半戦です。ホン・ギョンネの乱という歴史の荒波に乗じて逆転を狙うチスと、嵐の中でも軸をぶらさないイム・サンオク。二人の対比が最終盤に向けてより鮮明になっていきます。最終話でサンオクがチスに向けて告げた言葉は、このドラマがタイトル「商道」に込めた答えそのものでした。賄賂から始まり、脅迫、偽造手形、倭銀鋳造と一歩ずつ深みにはまっていくチスの末路は、見ていてしんどいくらい怖かったです。

ホン・ギョンネの乱に乗じた金鉱買収

湾商(マンサン)に交易で大きく水をあけられた松商(ソンサン)のチョン・チス。このあたりのチスは、もうかつての落ち着いた佇まいとは別人になっていました。声を荒らげ、感情をそのまま顔に出す。追い詰められた人間の焦りがひしひしと滲んでいて、見ていてつらかったです。

松商を追い出されたパク・チュミョンとパク・タニョンが金鉱開発を狙っているという情報を掴んだチスは、先手を打って清国・燕京(ヨンギョン)に人手を送ります。そしてホン・ギョンネの乱が起きると、タニョンが乱の支援に資金を出したという話を利用して彼女から金鉱を奪い取る算段を立てる。雲山(ウンサン)の郡守に賄賂を贈り、本来は国庫に入るはずの金鉱を不法に押さえてしまいます。金脈も見事に当たり、チスは久々に大きな手柄を立てた気分になって、さらに京商(キョンサン)商団まで傘下に収めて上機嫌になっていました。

でも不法買収という一手を打った時点で、この好調が長続きするわけないって思ってしまった。喜んでいるチスを見ながら、じわじわ嫌な予感がありました。

逮捕・損失・サンオクの台頭

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案の定、金鉱の不法買収が露見してチスは突如逮捕されます。釈放はされたものの、金鉱は没収、人参の交易権まで剥奪されて、松商は一気に苦境へ転落。転落のスピードが早い。

一方のサンオク。乱の最中に朝廷へ軍資金を提供した(実態は奪われた)実績が功績として認められ、王に謁見して県監の座を授かります。本来であれば、松商も不法買収さえしていなければ同じように褒賞を受けていたはずで、チスの苛立ちがどれほどだったかは想像に難くないです。

追い打ちをかけるように借金の即時返済を求める声が高まり、松商が破産の崖っぷちに立たされる。そこへサンオクが「清国の商人の手に渡るのは避けたいから、うちに店舗を売ってほしい」と提案してくる。チスは拒む余地もなく店舗を売り、手形を発行してその場をしのごうとします。

このくだり、サンオクが一切「勝ち誇った顔」を見せないのが印象に残りました。淡々と商売の話として持ちかけてくる姿が、むしろチスには堪えたんじゃないかと思います。

脅迫という悪手、そしてサンオクの自己申告

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平壌の新任判官として赴任した旧友(戸曹正郎)を訪ねて融資を頼んだチスは、その過程でサンオクが乱の際に巨額の軍資金を提供していた(=奪われていた)事実を知ります。これを使えば揺さぶれると踏んだチスはサンオクのもとへ乗り込み、「松商の店舗と天銀10万両を出せ」と脅迫します。

ところがサンオクは動じなかった。脅しに屈するどころか、自ら朝廷に事実を申告してしまったんです。チスはサンオクから財産を巻き上げるつもりで先に多額の資金を動かしていたので、完全に当てが外れる。それでも「サンオクが処罰されて湾商が潰れれば人参交易権が自分に戻る」と期待して待ち続け、清国商人に人参5000斤を売る話も断り、手元の1000斤も手放さずにひたすら湾商の崩壊を待っていました。

この「ただ誰かの失敗を待つ」という姿が、商人としての終わりを予感させました。サンオクが自己申告した潔さとの対比が、特にきつかったです。

偽造手形という最後の賭け

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乱で不当に処罰された人々の再調査が始まり、サンオクへの処罰が保留される。焦ったチスは、裏金を渡していた都提調大監を訪ねて処罰を急かしますが、あっさり見捨てられます。帳簿を突きつけて脅しても逆に反撃を食らう始末。チスの切り札は次々と機能しなくなっていきます。

結局サンオクを含む全員が釈放され、人参の数量も期日内に揃えられました。松商のほうは手形の支払いを引き延ばし続けたせいで信用を完全に失い、貸主たちから厳しく返済を迫られる日々が続きます。そこで追い詰められたチスが取った手段が、湾商の手形の偽造でした。

ここで「商人」としての一線を越えてしまったんですよね。賄賂→脅迫→偽造手形と、一段ずつ深みにはまっていく感覚があって、「次は何をするんだろう」という怖さで見ていました。

倭銀鋳造、そしてチョン・チスの最期

松商の都房(トバン)たちは松商の崩壊を悟り始め、かつての大房パク・チュミョンに復帰を懇願します。偽造した湾商の手形の期限が迫り、湾商側も偽造の事実に気づく。万策尽きたチスは、発覚すれば斬首に問われる倭銀(偽の銀)の鋳造を決意し、周囲の制止を振り切って強行します。

しかし都房たちはもうパク・タニョンを新大房として支持しており、「数万両をつぎ込んでもサンオク一人排除できなかった男」としてチスを見切っていました。倭銀鋳造はタニョンに発覚し、部下たちは最後に残っていた人参を持って逃げてしまう。チャン・ソクチュがチュミョンに危害を加えようとした事件まで表沙汰になり、官庁の捜査が目前に迫ります。

そこへサンオクが訪ねてきます。「偽造手形は湾商で処理する。だからあなたは朝鮮の商界から足を洗え」と告げながら、チスがかつて真鍮の器を古綿と交換して大きな利益を出した商才への憧れを語ります。そして「商人は利益ではなく義を追い、人を残す商売をすべきだ。それなのにあなたは信義を捨てた。もうこれ以上、商人にとどまるな」と引導を渡す。翌日、チスは自決した姿で発見されました。

「もうこれ以上、商人にとどまるな」は、追い詰めた言葉というより弔いの言葉に聞こえました。サンオクの口調が静かなぶん、受け止めるこちらには刺さりました。

チュミョンの後悔と松商の再出発

チスの死を知ったパク・チュミョンは、「チスがああなったのは、私が彼の目を眩ませ、無駄な野心を煽って破滅に追い込んだからだ」と深い後悔の言葉を口にします。策士として動き続けてきたチュミョン自身が、この結末に対して自分の責任を認める。そのことが少し意外でもありました。

チスが去った後の松商は、パク・タニョンが大房の座に就いて新体制を作り始めます。チュミョンの後悔とタニョンの出発が同じ時間軸に置かれることで、「誰かを踏み台にした野心」がどういう結末を招くかを静かに示して、物語は幕を引きます。

タニョンが大房におさまるという着地は、ある意味では正統な継承で、すっきりした終わり方でした。チュミョンが自責を素直に口にしたのは予想外で、ずっと策士として動いてきた人がここで崩れるのか、と思いました。

この10話全体の感想

第41〜50話で一番残ったのは、チスの崩れ方の「段階」でした。賄賂、脅迫、偽造手形、倭銀鋳造と一歩ずつ深みにはまっていく。商才も野心も最初から持っていた人が、「義を捨てた」瞬間からじわじわと自分の足場を削り続けていく話として見ていました。

サンオクが最後にチスへ告げた「人を残す商売をすべきだ」という言葉は、50話をかけて描いてきたものが一文に集約された気がしました。利益ではなく義を追い、人を残す道——それが「商道」の意味だったんですよね。チスとサンオクの対比をこれだけ丁寧に積み上げて、最後にその一言で締める。完結作品としての余韻が、長く続きそうです。

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