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クルミットです♪
最愛の家族の期待も、王宮での名声も、そして苦心の医書『東医宝鑑』さえも一瞬で失ったホジュン。―ところが彼は嘆く代わりに「すべてを置いて山へ帰る」という意外な決断を下します。権力の外にこそ“本当に治すべき患者”がいる──そう悟った心医の新たな一歩を、今回はじっくり追ってみました。
それでは133話を一緒に見ていきましょう!
ホジュン 133話のあらすじ
罪人の烙印を押されたホジュンは、流刑地で『東医宝鑑』の補筆を続けていた事実を理由に再び捕縛され、協力した医官もろとも牢に入れられます。完成間近の原稿は全巻押収。だが新王となったクァンヘは書に目を通すや否や、その価値とホジュンの志を即座に理解。「国と民の命脈を繫ぐ医書だ」と激賞し、医官たちを免罪・復職させたうえホジュンを王宮に呼び戻します。
牢を出て最初に向かったのは母ソン氏のいる屋敷。晩年の母は痴呆を患い幼名で息子を呼び続けます。その姿にホジュンは「医書にかまけ母の衰えを見落としていた」悔いを噛みしめました。栄誉復活を喜ぶ周囲とは対照的に、彼の心は静かに決まってゆきます。
王の執務室。クァンヘは「亡き母(コンビン)との約束を守り、そなたに再びそばで民の生命を預かって欲しい」と懇願。ところがホジュンは深く頭を下げて辞退します。理由は二つ。第一に、王宮の権力争いが再燃し医官の公正が保てないこと。第二に、未完成の『東医宝鑑』を完成させるには権威ではなく“現場”で多くの患いと向き合う必要があるから――。「残りの歳月を山間の貧しい病人に捧げたい」その一言に王は涙し、ついに出仕免除と山陰への帰郷を許しました。
帰途につくホジュンを追ったのは弟子オグン、古くからの相棒ヤンテ夫婦。彼らもまた「先生のそばで最後まで学び、人を救う手になりたい」と願います。道中、流刑地で出会った少女ウノクが駆け付けました。医師だった父を戦乱で失い役人の下女となっていた彼女は、胸痛で倒れた官吏を見事な針で救い出す才能の持ち主。ホジュンはその手際にかつてのエジン(恵民署初代内医女)の影を見出し、内医女への推挙を約束しました。
一行が山陰に入ると、ひと月も経たぬうちに診療所の明かりは夜通し消えなくなります。役人さえ恐れる疫癘でもホジュンは戸を開け放ち診察。噂は谷を越え、冷え切った山村が“人の流れる町”へ変貌しました。
その頃、漢陽では『東医宝鑑』失写の穴を埋めようと医官たちが奮闘するものの、独創的な分類法と臨床記録を再現できず難航。見かねた新任の御医ユドジは密かに資料を携え山陰へ向かい、囲炉裏端でかつての師と再会します。ホジュンは笑って言います。「書物は私の果実じゃない。病人の涙をぬぐうのが“心医”の務めだ」。そう語る横顔にユドジは張り詰めていた野心を解き、「残りを私に学ばせてください」と頭を垂れました。
王宮の頂点を捨ててもなお“治す喜び”を失わないホジュンの姿、ブレない信念が眩しい!
やがて山陰の冬。雪明かりの診療所でホジュンはペンを執り最終章「心と養生」を書き始めます。そこには“薬よりまず愛が先”という結論。長い旅の果てに彼が辿り着いた真理でした。
戦も政治も超えて「体だけでなく魂を温める医術」を掲げた瞬間こそ、真の『心医』の誕生だと思わず拍手!
ホジュン 133話の感想まとめ
133話は“権力の医者”から“民の医者”へ完全にシフトする決定回。クァンヘとの別れは名シーンですが、一番胸に残ったのは「母の手を取り、息子の手を取り直す」家族再生のカットでした。頂点に立っても介護する母を見落としていた――その気づきが、ホジュンを山へ向かわせたのでしょう。
権力者が選ぶ安全な医術ではなく、死と隣り合わせの辺境で“人間の体温”を書く。その遺稿が数百年後の私たちに「医は仁術」という言葉を根付かせたのだと改めて実感します。次回はいよいよ『東医宝鑑』完結とホジュンの最期へ。彼が最後に処方する“心の薬”を見逃さないよう、一緒に見届けましょう!
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