ご訪問くださりありがとうございます!クルミットです♪
今回ご紹介するのは、2023年に韓国tvNで放送された『スティーラー~七つの朝鮮通宝~』。
正直に言わせてください…このドラマ、悪党のキム・ヨンスの強欲っぷりがあまりに痛快で、画面に向かって「やってくれたな!」と何度叫んだことか(笑)。
でも、だからこそ!
昼は冴えない公務員ファン・デミョン、夜は怪盗“スカンク”として闇に躍り出る彼の「二重生活ヒーローっぷり」にワクワクが止まりません。
ただのド派手アクションだけでなく、法では裁けない巨悪に挑むために悪(盗み)も辞さない——そんな「正義」と「悪」の狭間で戦うドラマ性もしっかり熱いんです。
「コメディ色が強すぎ?ストーリー浅くない?」と迷っている方、安心してください。笑いあり涙ありでテンポよく進みますが、最後にはしっかりと悪に鉄槌が下り、スカッと爽快なカタルシスが待っています!
この記事では、私が興奮(主にキム・ヨンス許せん!と)と胸アツ(スカンク最高!と)で大忙しになりながら完走した感想を交えつつ、『スティーラー~七つの朝鮮通宝~』の全話あらすじとネタバレ、見どころを余すところなく紹介します。
ぜひ、ファン・デミョン率いる痛快「チーム・カルマ」の活躍を一緒に見届けましょう♪
もくじ
スティーラー~七つの朝鮮通宝~ あらすじ
物語は、謎に包まれた文化財専門の怪盗“スカンク”が世間を騒がせ始めるところから始まります。昼間は文化財庁で働く冴えない公務員ファン・デミョン。しかし、彼が勤務中にサボっている裏で、美術品オークション会場では黒いマスクの怪盗が次々と権力者の私物となった国宝級の文化財を強奪する事件が連発します。そんな中、警察大学を首席で卒業したエリート刑事チェ・ミヌは、上司の不正に拳を振るったせいで文化財専従チームに左遷されてしまいます。ある任務で、ミヌとデミョンは共に幻の国宝「直指(チクジ)」を追うことになり、かつて国から直指を盗み出しながら証拠不十分で逃げおおせた謎の古美術商チェ・ソンチョルと対峙することに…。そしてその裏では、莫大な財力を持ちながら違法に文化財を収集する闇の資産家キム・ヨンスが暗躍していました。デミョンの不可解な行動、スカンクの存在、次第に見えてくる“七つの朝鮮通宝”に秘められた謎―― ベールに包まれた怪盗「スカンク」と、非公式の文化財回収チーム「カルマ」が手を組み、法で裁けない者たちに挑む痛快な戦いが幕を開けます。 絶望的な力の差を前にしながらも、闇に奪われた国の宝を取り戻すため、デミョンたちは命がけのミッションに挑んでいくのです。果たして彼らは全ての文化財を奪還し、“七つの朝鮮通宝”に隠された真実に辿り着けるのか――絶望と希望が交錯するスリリングな物語がここに始まります。
「スティーラー 各話あらすじ」はこちらから
ご覧になりたい話数を押していただけると各話の詳しいあらすじが表示されます。
見どころ
まず一番の見どころは、単なるヒーローアクションに留まらない“正義のあり方”を問うドラマ性です。泥棒であるスカンクがヒーローとして描かれるように、この物語では善悪の境界がとてもユニーク。法律では裁けない悪人に制裁を加えるためにあえて法を外れた手段を取る――その是非に悩みながらも闘う主人公の姿にグッと引き込まれます。「正しいことをするには時にグレーゾーンも必要なのか?」と、視聴者も一緒に考えさせられる複雑さが魅力です。
さらに、個性豊かなチーム・カルマの活躍も痛快そのもの。冴えないフリした怪盗スカンク、正義感が強すぎて空回りしがちなミヌ、知識豊富で熱血漢のテイン、そして影で支える天才ハッカーのチュンジャ…とクセ者揃いのチームが繰り広げるアクションとユーモアは、シリアスな中にも笑いを添えてくれて飽きさせません。チームワークで難関ミッションに挑むたびに「次はどう切り抜けるんだ!?」とワクワクが止まらず、まるで自分も作戦会議に参加しているかのような高揚感を味わえます。
そして、物語が進むにつれ明かされていく過去の因縁とどんでん返しの連続にも注目です。ファン・デミョンが怪盗になった本当の理由や、“七つの朝鮮通宝”に絡む秘密など、ストーリー中盤以降は毎回新たな真相が判明して息つく暇もありません。「信じていた人物が実は…」なんて裏切り展開もあり、最後までハラハラドキドキさせられます。それでいて、文化財を題材にしたリアルな設定が社会の闇にも踏み込んでいて、歴史遺産を巡る欲望や正義の在り方など、見れば見るほど考えさせられる深みも持ち合わせています。
ラストには、悪人にはしっかり報いが訪れる勧善懲悪のカタルシスと、仲間を信じて戦い抜く「希望を捨てない心」の尊さが描かれており、とても爽やかな余韻が残ります。スカッと笑えてホロリと泣けて、心に熱いものが込み上げるエンディングまで、ぜひじっくり楽しんでみてください♪
社会派アクションが好きな方、チームで協力して困難に立ち向かう物語に弱い方、「悪い奴には盗んででも制裁を!」と密かに思ったことがある方には、間違いなく刺さるドラマです!
キャスト・登場人物 相関図
韓国ドラマ『スティーラー~七つの朝鮮通宝~』のキャスト&主な登場人物一覧です。
ファン・デミョン(演:チュウォン)

「昼は冴えない公務員――夜は怪盗に変身する“ダークヒーロー”」 文化財庁の特別調査課に勤める平凡な公務員。その正体は、社会の闇に葬られた文化財を盗み出す謎の怪盗“スカンク”です。昼間はわざと仕事をサボり間抜けに振る舞う一方、夜になると華麗な身のこなしで巨悪からお宝を奪取。二つの顔を持ちながら、法で裁けない悪人には自ら制裁を下す痛快さを秘めた主人公です。過去に家族を理不尽に奪われた傷を抱えており、その復讐心と正義感が彼を“ダークヒーロー”へと駆り立てます。怪盗でありながらどこか人間臭く、ユーモアも忘れないキャラクターで、視聴者を虜にすること間違いなし!
チェ・ミヌ(演:イ・ジュウ)

「警察エリート――左遷にも屈しない不屈の女刑事」 警察大学を首席で卒業した才媛。生来の正義感の強さから署長の不正に怒り、思わず拳を振るってしまったことで文化財担当チームに左遷されるという経歴の持ち主です。専門外の任務に最初は戸惑うものの、ファン・デミョンと出会い、その裏の顔であるスカンクの存在を知ったことで人生が一変。盗みという違法行為にも葛藤しつつ、最終的には「正義を貫くためなら手段を選ばない!」という芯の強さでチーム・カルマに加わり、誰よりも熱く悪と対峙します。冷静な判断力と格闘術も備えたアクション派ヒロインで、スカンクとの息の合ったコンビネーションは痛快そのもの。正義のために突き進む彼女の姿に胸が熱くなります。
キム・ヨンス(演:イ・ドクファ)

「財と権力を握る闇の収集家――法すら恐れぬ冷酷な怪物」 莫大な富とコネを背景に、国の貴重な文化財を違法に買い漁ってきた闇社会の大物。表向きは文化事業の有力者として振る舞いますが、その冷酷な本性は金と欲にまみれた怪物そのものです。ファン・デミョンの両親を含め、自分の目的のためなら平気で他人の人生を踏みにじる非道ぶりで、スカンクたちの最大の敵として立ちはだかります。「自分ほどの権力者には法など無意味だ」と嘲笑う姿は憎たらしい限りですが、そのカリスマ性と狡猾さゆえに目が離せない存在でもあります。果たして彼に盗まれた秘宝の数々と“七つの朝鮮通宝”の秘密は、チーム・カルマによって暴かれるのか――最後までハラハラさせる強烈な悪役です。
相関図

評価・レビュー
韓国ドラマ「スティーラー」の評価レビュー&感想です。
ストーリーの良し悪し、出演者の演技力、物語の展開、脚本の面白さなどを総合的に評価しています。
もちろん、レビュー&感想の中にも作品に関するネタバレがありますのでご注意ください♪
ネタバレを表示する
序盤(1~3話)は、
とにかくテンポの良さが印象的でした。
怪盗スカンクの鮮やかな仕事ぶり、
チーム・カルマの軽妙なやり取り。
正直、この時点では
「気軽に楽しめるアクションドラマかな」という印象が強かったです。
この頃は、ここまで重たい話になるとは思ってなかったです
ところが中盤に入ると、
物語の重心が一気に変わっていきます。
チョ・ヒンダルという存在が、
単なる“強い悪役”ではなく、
誰かに人生を奪われ続けてきた被害者でもあると分かってきたあたりから、
ドラマの空気が一段階深くなりました。
特に印象的だったのは、
ヒンダルの「弟」という存在。
彼が人を殺し続けてきた理由が、
冷酷さではなく“縋れるものがそれしかなかった”ことだと分かった瞬間、
物語は単純な勧善懲悪ではなくなります。
一方で、
ファン・デミョン=スカンクもまた、
正義のヒーローではありませんでした。
彼が文化財を取り戻し続けてきた理由は、
父の遺志であり、
同時に両親を殺された怒りと復讐心でもあった。
正義と復讐が、最初からずっと同じ線上にあったんですよね
中盤以降、
デミョンの正体が仲間に近づき、
疑念や違和感が積み重なっていく展開も、とても人間的でした。
誰かを信じたい気持ちと、
信じ切れない怖さ。
チェ・ミヌの存在は、
その揺らぎを一身に受け止める役割だったように感じます。
ミヌは、
正義のためでも復讐のためでもなく、
「人として隣にいる」立場を最後まで崩しませんでした。
だからこそ、
暴走しかけるデミョンを映す鏡のような存在になっていたと思います。
終盤(9~12話)にかけては、
文化財奪還のミッションよりも、
登場人物たちの感情が完全に主役になります。
特に10話以降は、
物語全体が“心の清算”へ向かって収束していく感覚がありました。
ヒンダルとデミョン。
どちらも、
18年前の出来事に人生を縛られ続けてきた存在です。
最終回で描かれたのは、
その鎖をどう扱うかという選択でした。
復讐しても、全部が終わるわけじゃないという描き方が印象的でした
このドラマが良かったのは、
はっきりした“救い”を用意しなかったところだと思います。
誰かが完全に報われるわけでもなく、
すべてがスッキリ解決するわけでもない。
それでも、
文化財は元の場所へ戻り、
人はそれぞれの痛みを抱えたまま生きていく。
その不完全さが、
逆にこの物語を誠実にしていました。
見終えて
全話を通して感じたのは、
このドラマは
「盗む話」ではなく「返す話」だったということです。
奪われた文化財を返す。
奪われた過去と向き合う。
そして、
奪われた人生をどうやって生き直すか。
派手なアクションの裏側で、
ずっとその問いが流れていました。
最初は気軽に見始めたのに、
気づけば登場人物の感情に
しっかり引きずり込まれていた。
そんなタイプの作品だったと思います。
見終わったあと、少し胸に重さが残るけど、嫌じゃない余韻でした
怪盗ドラマが好きな人にも、
人間ドラマが好きな人にも、
どちらにも刺さる一本。
「正義って何だろう」と、
ほんの少し考えたくなるドラマでした。
撮影秘話・トリビア総まとめ
ドラマの撮影現場は終始和やかなムードで、キャスト同士の仲の良さが随所に表れていました。主演のチュウォン(ファン・デミョン/スカンク役)は「みんなで一緒に撮影しているとおしゃべりが止まらず、ずっと一緒に撮影していたいくらい」と語るほどで、共演者たちとのチームワークは抜群でした。実際、撮影が進むにつれて仲が深まりすぎて、リハーサル中に笑いがこらえられずNGになったことも何度かあったといいます。特にベテラン女優のチェ・ファジョン(イ・チュンジャ役)は夜明けの疲れが出る時間帯でも面白い身の上話で共演者を笑わせ、「眠気も吹き飛ぶほどだった」そうです。こうした明るい現場の雰囲気から、後半にはキャストが笑いを堪えきれなくなってNGを出すハプニングまで生まれたとのことで、和気あいあいとした撮影風景がうかがえます。
一方、アクション撮影では緊張感もありました。イ・ジュウ(チェ・ミヌ役)は人生初の本格アクションに挑戦するにあたり、本番前に2か月間アクションスクールに通って徹底的に準備したといいます。その甲斐もあって撮影では自信を持って臨めたようですが、ワイヤーアクションや長い廊下での格闘シーンなど体力勝負の場面も多く、チュウォンと共に体を張った撮影を乗り越える中で強い同志愛が芽生えたそうです。アクションシーンの裏話としては、共演者同士で安全確認を入念に行っていたことが挙げられます。例えばチュウォンと対立する敵役との格闘では、小道具のペンを武器に使う場面もあったため、リハーサルを何度も重ねて互いにケガがないよう調整したと報じられています。共演者のキム・ジェウォン(シン・チャンフン役)も撮影中は「今の動きで不快じゃなかった?痛くない?」と何度も声をかけてくれる紳士ぶりで、安全に配慮しつつアクションの呼吸を合わせてくれたといいます。また、ラスボス的存在であるイ・ドクファ(キム・ヨンス役)は実は大の釣り好きで、待ち時間には「本当にあんな大物を釣れるのか」と若手に聞かれて目を少年のように輝かせながら釣り談義に花を咲かせていたという微笑ましい裏話も伝えられました。このように、『スティーラー』の現場では笑い溢れるハプニングから細やかな気配りまで、様々なエピソードが生まれていたようです。
キャストの役作りとインタビュー発言
本作はチュウォンにとって約3年ぶりのドラマ復帰作であり、新境地への挑戦となりました。チュウォン自身、「前作(Netflix映画『カーター』)の後は親しみやすいキャラクターを演じたくて、本作のユーモラスな作風に惹かれた」と語っています。彼は文化財庁の公務員・ファン・デミョン(昼の顔)と、神出鬼没の怪盗スカンク(夜の顔)という一人二役に挑みましたが、演じ分けにあたって意識したのは「どちらも根底には“子供のような無邪気さ”がある人物だという一貫性」だったそうです。普段はおっとりズボラなデミョンも、仮面とスーツを身に着けてスカンクに扮するときも、「真剣さの中に状況を楽しむ遊び心を表現しようとした」と明かしており、コミカルとシリアスを行き来する幅広い演技で視聴者を魅了しました。また、撮影前には約10kgの減量も敢行し、スーツ姿が映える引き締まった体でアクションとビジュアルの両面からキャラクターを完成させています。チュウォンは「今回、自分のコメディ演技にもぜひ期待してほしい。文化財還収という重いテーマだけれど、誰が見ても難しくなく気楽に楽しめるドラマに仕上がったと思う」とコメントしており、新境地となる“ダークヒーロー×コメディ”への手応えを語りました。
共演陣もそれぞれ入念な役作りを行いました。チェ・ミヌ役のイ・ジュウは人生初のアクションに挑戦するため、事前に猛特訓を積んだ努力家です。撮影前の2か月間にわたりアクションスクールに通い、パンチやキックのフォームからワイヤーの動きまで、一つ一つ基礎を体に叩き込んだといいます。初めは相当な緊張もあったようですが、その甲斐あって撮影本番ではアクション監督への信頼を胸に堂々と演じ切ることができたそうです。イ・ジュウは「アクションの息を合わせるのはだいぶ上達しました。以前はオロオロしましたが、今ではある程度できるようになったかな」と自身の成長を振り返っています。また、彼女は最年長のチュウォンから大いに助けられたとも語っています。悩みがあれば一緒に解決策を考えてくれ、「チュウォン先輩のおかげで不安や不便を感じることなく演じられた」と感謝の言葉を述べています。体当たりのアクションで何度も苦楽を共にした二人は、撮影を通じて強い信頼関係で結ばれ、「お互いワイヤーに吊られて大変なシーンも多かったけれど、一緒だったからこそ乗り越えられた」とイ・ジュウは振り返っています。
さらに、チーム「カルマ」の抜群のチームワークもキャスト陣の努力の賜物でした。作中でカルマのメンバーを演じた俳優たちは撮影中も絶妙な呼吸を見せ、カメラが回っていない時でも意見交換が活発だったといいます。イ・ジュウは「チュウォンさんはもちろん、チョ・ハンチョルさん(チャン・テイン役)、キム・ジェウォンさん(シン・チャンフン役)、チェ・ファジョンさん(イ・チュンジャ役)まで皆さん本当に仲良くなって、後半はお互いの顔を見るだけで笑ってしまうくらいでした」と明かしており、現場の良い雰囲気がそのまま劇中のチーム感に反映されたようです。特に普段は強面の悪役を演じることが多いチョ・ハンチョルについて、「現場では驚くほど優しくてお茶目。まるで叔父さんかお兄さんのようにみんなを気遣ってくれるムードメーカーでした」とギャップを語っています。こうしたエピソードからも、主要キャストそれぞれが役柄への真摯な向き合いと相互の信頼によって、本作の魅力を支えていたことがわかります。
ロケ地やセットにまつわる裏話
文化財を巡る物語ということで、撮影には歴史情緒あふれるロケ地やセットが多く活用されました。劇中、国宝級の青磁の壺(청자 매병)のオークション会場として登場する重厚な伝統建築は、実際に韓国有数の高級韓屋ホテル「慶源齋(キョンウォンジェ) アンバサダー仁川」で撮影されています。伝統美と現代的快適さを兼ね備えた5つ星ホテルで、劇中でも由緒ある競売会場の雰囲気をリアルに醸し出しています。一方、ファン・デミョンが宴会でコミカルな余興を披露する焼肉店のシーンは、ソウルに実在する伝統文化空間「韓国の家」で収録されました。1957年に外国貴賓の迎賓館として建てられた由緒ある建物で、現在は韓国文化財財団が運営する複合文化施設です。劇中の「カルマ」チームの焼肉会場として使われたこの場所は、実際に宮廷料理や伝統公演を楽しめる人気スポットであり、時代劇さながらのセットと思いきや実在のロケ地だったことに驚く視聴者もいました。
さらに、終盤の舞台となる悪役キム・ヨンス(イ・ドクファ)の美術館兼邸宅のシーンには、歴史的建造物「朝鮮王家(조선왕가)」が使用されています。朝鮮王家は李氏朝鮮の王族の末裔が所有していた韓屋を京畿道に移築・復元した複合施設で、これまでも数々のドラマ撮影に使われてきた有名ロケ地です。『スティーラー』ではこの朝鮮王家を、キム・ヨンスが文化財を秘蔵する無窮花(ムグンファ)美術館とオークション会場、そして自宅という一石三鳥のセットとして活用しました。実は劇中で描かれたこれら3箇所は全て同じ敷地内で撮影されており、監督はカメラアングルや美術で巧みに雰囲気を変えて表現しています。朝鮮王家は皇室建築の遺構を一般公開・宿泊施設として活用したユニークな場所であり、歴史ドラマ『根の深い木』などでも登場したことがあります。こうした本物の伝統建築や文化施設をロケに使うことで、物語に説得力と重厚感を与えている点は本作の隠れた魅力と言えるでしょう。
セットや小道具にも遊び心が光ります。スカンクの黒い戦闘スーツには様々な特殊ギミックが仕込まれており、中でもヘッドギアの「特殊ゴーグル」は劇中で重要なアイテムです。このゴーグルはスカンクの視界に情報解析用のディスプレイを投影し、暗闇でも視野を確保できるハイテク装備で、彼の怪盗作戦を支える秘密兵器となっています。実際にスカンクの見る世界がゴーグル越しの一人称視点で描かれる演出も取り入れられており、臨場感たっぷりにアクションを体験できると好評でした。このように小道具の細部までこだわることで、視聴者にスカンクの「プロ怪盗」ぶりを伝えると同時に物語への没入感を高めています。さらにスカンクのスーツには煙幕を発生させる装置も備わっており、公式ティーザー映像では作戦中に謎の白煙とともに強烈な匂いが立ち込める描写がありました。これによって「スカンク(=スカンクの動物)」というコードネームの由来を垣間見せる仕掛けになっており、ユニークなネーミングの理由が明かされると視聴者の間で話題になりました(※スカンクは北米原産で悪臭のスプレーを放つ動物であり、劇中のスカンクも臭い煙で敵を撹乱する設定)。こうした小道具の工夫はコミカルな演出とアクション性の両立にも一役買っており、スカンクというヒーロー像を印象付ける重要な要素となりました。
演出・制作のこだわりポイント
演出面では、「ダークヒーローもの×コメディ」という絶妙なトーンが制作陣の狙いでした。演出を手掛けたチェ・ジュンベ監督は、盗まれた文化財を取り戻すという重厚な題材を扱いつつも「誰もが楽しめるケイパー(caper=怪盗活劇)コメディ」に仕上げています。法で裁けない悪党からお宝を盗み返すという勧善懲悪の爽快感に、スリル満点のアクションと笑いのエッセンスを織り交ぜ、視聴後には「痛快でスカッとする」と評するファンも少なくありません。特に印象的なのは、スカンクの視点を通した一人称アクション演出です。ゴーグルのHUD(ヘッドアップディスプレイ)越しに展開する主観映像は、まるで自分がその場で戦っているかのような臨場感を生み出し、視聴者を物語の中に引き込む効果を上げました。また、敵側の演出にも工夫があります。例えば終盤で描かれるヤン会長(チャン・グァン役)の豪邸内の細長い廊下での攻防戦では、狭い空間に次々と刺客が飛び込む様子をスピード感たっぷりに演出し、まるで映画のような迫力あるシーンに仕上げています。このように躍動的なカメラワークや視覚効果を駆使し、テレビドラマの枠を超えたスケールのアクションを実現した点も見逃せません。
さらに、脚本面では随所にユーモアとオマージュが散りばめられています。スカンクが悪党を懲らしめるときに見せるおどけた態度や軽口は、いわゆるアメコミのヒーローや怪盗ルパンのような「茶目っ気のあるヒーロー像」を彷彿とさせます。実際、メディアでは昼間は怠惰な「월급ル팡(給料泥棒)」、夜は義賊の「괴도ル팡(怪盗ルパン)」といったフレーズでチュウォン演じる主人公像が形容されました(※월급루팡とは勤務中サボって給料だけ受け取る人の俗語)。これはまさに、公務員としては勤務中に居眠りまでしてサボるファン・デミョンと、夜は大胆不敵な義賊スカンクという二面性をコミカルに言い表したものです。劇中でも、デミョンが上司に怒られて「 월급ル팡(さぼり魔)扱いされる」シーンがある一方で、スカンクとしては颯爽とターザンロープでビルから飛び降りるような派手な活躍を見せ、まさに現代版ルパンさながらの痛快さを醸し出しています。こうしたキャラクター造形は脚本家のシン・ギョンイル氏の遊び心の表れであり、過去の名作怪盗ものやヒーローものへのオマージュとしてファンの間で語られました。
ファンの間で話題になった豆知識あれこれ
ドラマ放送中および放送後、視聴者の間では「そんな裏話が!?」と思わず膝を打つような豆知識もシェアされました。例えば、本作のタイトルにもなっている「朝鮮通宝(조선통보)」は架空の宝物ではなく、実在した朝鮮王朝時代の古銭です。15世紀・世宗の治世下で鋳造された銅銭がモデルで、劇中では“七つ揃えば莫大な価値を持つ秘宝”として描かれていますが、実際の歴史では流通が定着せず一部地域でしか使われなかったという裏話があります(朝鮮通宝1枚で米一升に相当する価値が与えられたとも伝わる)。こうした史実を織り交ぜることで、作品にリアリティとロマンを与えている点は見逃せません。劇中に登場する他の文化財も、青磁の壺や仏像、絵画など韓国の国宝級遺産をモチーフにしており、文化財ファンにとっては実在のモデルを探す楽しみもありました。また、イ・ドクファ演じる敵役の人物設定にも注目したい点があります。彼が演じたキム・ヨンスは日本統治時代に私腹を肥やした親日派の子孫という設定で、劇中では文化財を私物化する悪人として描かれました。このディテールは歴史的背景への問題意識を反映したもので、単なる勧善懲悪にとどまらない深みを作品にもたらしています。さらに余談ですが、チェ・ファジョン(カルマのブレーン“イ・チュンジャ”役)は実生活では人気ラジオDJでもあり、おしゃべり上手な彼女が現場でムードメーカーになっていたことは前述の通りです。彼女の機転やトーク力は劇中のキャラクターそのままで、スタッフからも「本当に演技ではなく地でいってるのでは」と笑いが起きたとか。最後に、主演のチュウォンは劇中で数々の変装姿も披露しています。スカンクとして任務を遂行する際に警備員や清掃員、時にはお坊さん(!)にまで扮して潜入するシーンがありましたが、これらのコミカルな変装劇はチュウォン自身もノリノリで演じ、「新鮮で面白い挑戦だった」と振り返っています。こうした細かな小ネタや豆知識まで含め、『スティーラー~七つの朝鮮通宝~』は視聴者を楽しませる工夫が満載の作品だったと言えるでしょう。
基本情報
| タイトル | スティーラー~七つの朝鮮通宝~(스틸러: 일곱 개의 조선통보) |
|---|---|
| 英語タイトル | Stealer: The Treasure Keeper |
| 放送 | 韓国tvN/(同時配信: TVING/日本: Amazon Prime Videoほか) |
| 放送年 | 2023年4月~5月(韓国) |
| 話数 | 全12話 |
| ジャンル | アクション・コメディ(ケイパー・クライム) |
| 演出 | チェ・ジュンベ |
| 脚本 | シン・ギョンイル |
| 主な出演 | チュウォン(ファン・デミョン役) イ・ジュウ(チェ・ミヌ役) チョ・ハンチョル(チャン・テイン役) キム・ジェウォン(シン・チャンフン役) チェ・ファジョン(イ・チュンジャ役) イ・ドクファ(キム・ヨンス役) |
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