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クルミットです♪
『クリーニングアップ』は、韓国のテレビ局JTBCで放送され、その後さまざまな動画配信サービスでも視聴可能となった、三人の女性清掃員が株式投資の世界に挑む波乱万丈のヒューマンドラマです。証券会社で働く清掃員のヨンミ、スジャ、インギョンが、何気なく耳にしてしまったインサイダー情報をきっかけに、大胆不敵な株取引へ足を踏み入れる──そんな“秘密と友情”の物語が大きな魅力となっています。
物語は、華やかな金融の現場と、そこを陰で支える清掃員のリアルな日常が交錯する中で、〈仕事も生活も一筋縄ではいかない〉と奮闘する彼女たちの姿を中心に描かれます。ほんの出来心で始めた株の売買が、いつしか身の危険を感じるような大ごとに発展してしまい、それでもなお家族や仲間のために突き進んでいく三人の姿は、時に危なっかしくもあり、同時に応援せずにはいられない不思議な魅力を持っています。一方で、突拍子もない計画を実行する彼女たちが、最後にはどんな結末を迎えるのか──その結末にも注目が集まっており、スリル満点の展開が作品の大きな見どころになっています。
深刻な事態や絶望的な状況だけでなく、家族や仲間と助け合い、時にはコミカルで思わず笑ってしまうエピソードが織り交ざるのもこの作品の面白さです。金融の知識をベースにしながらも、三人のキャラクターの絶妙な掛け合いによる人間ドラマがしっかり堪能できます。株取引をテーマにした社会派ドラマが好きな方はもちろん、“仲間との絆”や“下剋上ストーリー”に惹かれる人にもおすすめしたい作品です。ちょっぴりハラハラしながらも、笑いと涙が詰まった彼女たちの奮闘物語をのぞいてみてください♪
ここでは『クリーニングアップ』のあらすじ・ネタバレ感想、見どころなどを余すところなく紹介し、その魅力に迫っていきます。
もくじ
クリーニングアップ あらすじ
一見地味な清掃員の仕事と華やかな金融業界の裏側が交差し、手を出してはいけない領域に足を踏み入れてしまった三人が、家族や仲間のために奮闘する姿を通じて進んでいきます。私が特に感じたのは、「平凡」だったはずの彼女たちが、日常を抜け出した瞬間に見せるたくましさと大胆さ。決してスマートとは言い切れないところも含めて、“何とかここを乗り切りたい”という必死な思いがリアルに描かれています。
スリル満点の展開とは裏腹に、彼女たちが抱える“家族との関係”や“経済的な悩み”といった身近な問題も物語の重要な要素で、時には笑いを誘い、時には胸を締めつけられるようなシーンも多々登場します。ほんの出来心で始まった取引が、彼女たちの人生をどのように変えていくのか──そんなドキドキ感が、作品の冒頭から視聴者をぐいぐいと引き込んでくれるます
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見どころ
“三人の女性清掃員が証券会社の世界に飛び込む”という異色の設定にあります。清掃員という地味な仕事をしていながら、なぜか金融のプロ顔負けの度胸を見せる彼女たちの姿は、観ているうちについ応援したくなってしまうんです。そこに加えて、株式投資をめぐる緊張感あふれる展開と、家族や仲間とのコミカルで温かなシーンがうまく組み合わさっているのも面白いポイントだと感じました。
さらに、それぞれが抱える事情や思いがしっかり描かれているので、バラバラな三人が「どうやって一つのチームになっていくのか」を見るのがとても楽しいんです。彼女たちの計画が成功するたびにドキドキが止まらないし、失敗したらどうなるんだろう…とハラハラさせられる場面も多いです。
もう一つの見どころは、資本主義のど真ん中にいる証券マンたちと、裏方として働く清掃員の視点が交差するところ。強者と弱者が同じフロアで働いているという構造が独特の空気感を生み出し、勝ち目の薄い挑戦がかえって爽快感をもたらしているように思いました。私はそのギャップこそが、このドラマを最後まで見続ける大きな原動力になったと思っています。
まさか“清掃員×株式投資”の組み合わせで、ここまで胸の熱くなるドラマが生まれるなんて驚きでしたが、一度観始めると、三人が突き進む姿を見守りたくなってしまうのが『クリーニングアップ』の不思議な魅力です。ぜひ、そのハラハラと笑いと、時にホロリとさせられる人間ドラマを味わってみてください。
キャスト・登場人物 相関図
韓国ドラマ『クリーニングアップ』のキャスト&主な登場人物一覧です。
オ・ヨンミ(演:ヨム・ジョンア)
ヨム・ジョンアさんが演じるオ・ヨンミは、証券会社で清掃員として働きながら、家計を支えるために奮闘する母親です。外見は控えめで目立たないように見えますが、家族を守るためならば一線を越えてでも行動する強い意志を秘めています。ヨム・ジョンアさんの、どこか儚げながらも芯の通った演技が、このキャラクターの葛藤や覚悟をより鮮明に表現していると感じました。個人的には、ヨンミが必死にもがきながらも家族と向き合う姿に心を打たれ、「頑張って!」と何度も応援したくなりました。
アン・インギョン(演:チョン・ソミン)
チョン・ソミンさん扮するアン・インギョンは、ヨンミと同じ証券会社で清掃員として働く女性で、素朴な見た目と裏腹に大胆な行動力を持っています。普段はのんびりしているように見えますが、仲間を守るためなら積極的に動けるタイプ。チョン・ソミンさんの愛らしさと、時々見せる少し抜けたような表情がインギョンの魅力を最大限に引き立てていて、観ているうちに彼女の幸せを祈らずにはいられませんでした。コメディタッチの場面での自然体な演技も、見どころのひとつだと思います。
メン・スジャ(演:キム・ジェファ)
キム・ジェファさんが演じるメン・スジャは、三人の中でも特に要領が良くて世渡り上手なムードメーカー的存在。おしゃべり好きで口が達者な彼女は、人脈を活かしてスリリングな情報をかき集めることに長けています。時には強引な手段に出ることもありますが、それもすべて生活を立て直し、大切な仲間と家族を守るため。キム・ジェファさんのオーバー気味な表情やジェスチャーがコミカルで、物語の中で緊張感のある場面でも思わず和まされてしまうのが魅力でした。
イ・ヨンシン(演:イ・ムセン)
イ・ムセンさんが演じるイ・ヨンシンは、証券会社で働くエリート社員。クールな雰囲気と落ち着きを持ち合わせており、清掃員たちとはまったく違う“表舞台”側の視点を象徴するキャラクターです。個人的には、ヨンシンがどんな思惑を秘めているのかが徐々に明らかになる過程がとても興味深く、イ・ムセンさんの抑えた演技によってさらにミステリアスな存在感が際立っていたと感じました。
ドゥ・ヨンホ(演:ナ・インウ)
ナ・インウさんが扮するドゥ・ヨンホは、どこか純粋でまっすぐな雰囲気が漂う青年。厳しい金融の世界に身を置くほかの人物たちとは一線を画すような素朴さがむしろ目を引きます。三人の清掃員たちとの関わりが深まるにつれて、物語を予測不能な方向へ引っ張っていく存在でもありました。ナ・インウさんの自然体な演技がドゥ・ヨンホの誠実さをより強調しており、思わず「これからどう動くんだろう?」と気になってしまうキャラクターでした。
相関図
韓国ドラマ『クリーニングアップ』トリビア・制作秘話まとめ
『クリーニングアップ』は、2019年放送の英国ドラマ『Cleaning Up』をリメイクした2022年のJTBC土日ドラマです。シングルマザーの清掃員オ・ヨンミ(演:ヨム・ジョンア)ら3人の女性清掃員が、勤務先で偶然耳にしたインサイダー取引の情報をきっかけに株の世界に飛び込み、一発逆転を狙うという予測不能な物語です。タイトルの“Cleaning Up”には、掃除を意味すると同時に「大儲けする」という俗語的な意味もあり、劇中で清掃員たちが株取引で人生の“ストップ高”(株価急騰)を目指すストーリーと重ねられています。ここでは、本作に関する様々なトリビアや裏話を、キャスト・撮影・脚色ポイントなどの項目別にご紹介します。
キャストにまつわるエピソード
ヨム・ジョンア(オ・ヨンミ役) 主演のヨム・ジョンアは、本作で等身大のシングルマザー清掃員を演じるにあたり「できるだけ身近にいる人のように自然に演じたかった」と語っています。声色や身振りを作り込むことを避け、「数ヶ月間オ・ヨンミとして生きたら、自分がヨム・ジョンアなのかオ・ヨンミなのか分からなくなるほど」役に没頭したそうです。ユン・ソンシク監督も彼女の演技を絶賛し、「演技とは何かを見せてくれるヨム・ジョンアにいつも感動しながら撮影した」と振り返っています。清掃員という庶民的なキャラクターをカリスマ性よりも親近感で表現することで、視聴者が共感しやすい主人公像を作り上げました。
チョン・ソミン(アン・インギョン役) ヨンミの後輩清掃員アン・インギョンを演じたチョン・ソミンは、気弱だが芯のあるキャラクターをユーモアたっぷりに表現しています。インギョンには劇中で「顔はシャロン(美女)、頭はストーン(石)」つまり「シャロン・ストーン」というあだ名が付きますが、これは純朴でぽーっとした彼女の性格とおしゃれな外見をかけたニックネタです。チョン・ソミンはこの“シャロン・ストーン”キャラに合わせてパーマのウィッグを着用するなど外見から役作りを工夫し、コミカルで愛らしい演技を披露しました。また彼女にとってヨム・ジョンアやキム・ジェファといった先輩女優との共演は大きな魅力だったようで、「先輩方のキャスティングを聞いてぜひやりたいと思った。実際に現場で多くを学ばせてもらい、オフでもとても助けてくださるので『自分もこんな先輩になりたい』と何度も思った」と語っています。
キム・ジェファ(メン・スジャ役) ベテラン女優キム・ジェファが演じるメン・スジャは、ヨンミたちと共に株に挑戦する清掃員仲間で、物語のコミカルな部分を担うムードメーカー的存在です。ユン監督も「我々のドラマには緊張感や悲しさなど様々な感情があるが、一つの特技はコメディだ。コミカルなシーンが多いが、そのコメディを一番よく主導するのがキム・ジェファだ」と明かしており、彼女の巧みな演技が作品全体のバランスを支えています。撮影現場でもヨム・ジョンア、チョン・ソミンと初共演とは思えないほど相性抜群で、3人の女優たちはまるで本物の同僚のような絆を築きながら息の合った掛け合いを見せています。
ロケ地・撮影時の苦労
ドラマの主な舞台はソウルの金融街・汝矣島(ヨイド)にある架空の証券会社「ベスティード投資証券」です。オフィスビルの高層階という設定で、清掃員たちが日中は“透明人間”のように扱われる職場環境がリアルに描かれています。重要な場面の多くは社内で展開し、例えばヨンミが深夜のオフィスで机の下に隠れて盗聴器を仕掛けたり、社員の会話を清掃中に盗み聞きするといったスリリングなシーンはオフィスセットで緊張感たっぷりに撮影されました。社員に存在を無視されがちな清掃員だからこそ可能なこのような場面は、本作ならではの醍醐味です。
撮影は真夏の時期に及び、現場は体力的にもハードだったようです。イ・ヨンシン役のイ・ムセンは放送終了後のコメントで、「暑い夏、全ての瞬間が情熱的だった」現場を振り返り、最後まで全員が最善を尽くしたと語っています。炎天下での屋外ロケや長時間にわたる室内セットでの撮影もあったと推測されますが、キャスト・スタッフの熱意がこもった撮影のおかげで、緊迫感と臨場感のある映像に仕上がっています。なお、制作発表会はオンラインで行われましたが、ヨム・ジョンアら出演者たちは和やかな雰囲気で作品への思い入れを語り合い、終始チームワークの良さがうかがえました。
原作ドラマとの違いと脚色ポイント
イギリス版『Cleaning Up』と韓国版『クリーニングアップ』では、基本設定は共通しながらも細部に多くの違いがあります。主な相違点を以下にまとめます。
- エピソード数と物語のボリューム
原作が全6話のミニシリーズであるのに対し、韓国版は全16話の連続ドラマとして制作されました。リメイク版では物語のスケールが拡大し、原作の「開かれた結末」の先まで描いて独自のクライマックスに展開しています。エピソード増加に伴い、登場人物の背景やエピソードが大幅に掘り下げられました。 - 主人公を3人に変更、女性たちの連帯を強調
原作では清掃員のシングルマザー・サム(シェリダン・スミス)一人に物語の焦点が当たっていましたが、リメイク版では清掃員仲間のオ・ヨンミ(ヨム・ジョンア)、メン・スジャ(キム・ジェファ)、アン・インギョン(チョン・ソミン)の3人全員が主人公として描かれます。これにより、低賃金で働く中年女性たちが置かれた様々な現実が克明に描かれました。原作では一匹狼だった主人公が、リメイク版では苦楽を共にする“清掃員トリオ”として支え合う点が大きな特徴です。 - 賭博依存の設定変更と動機付け
原作の主人公サムは重度のギャンブル依存症で、お金が入るとすぐ賭け事に使ってしまう描写が頻繁に登場します。それに対し韓国版では、ヨンミの賭博癖は「過去のもの」に設定されており、物語開始時点では借金返済と娘たちの親権を守るために嫌々ながら賭博を断っている状態です。これによりヨンミは「失うものもないし怖いもの知らず」という立場でインサイダー取引に挑める動機づけがなされています。原作が賭博中毒に陥る弱者を通して資本主義の矛盾を描いたのに対し、リメイク版は主人公の更生と逆転劇に重点を置いていると言えます。 - 物語のテーマとメッセージ性
リメイク版では、「お金が全てではない」「幸せはお金の多少では決まらない」という明確なメッセージが作品を貫いています。ヨンミが娘に「お金が少しないのはタートルネックみたいなもの。不便だけど不幸じゃないのよ」と語るシーンに象徴されるように、清掃員たちの奮闘を通じてお金より大切なもの(家族や仲間との絆、自尊心)が浮き彫りにされています。一方で原作は最後まで主人公サムの違法行為の顛末を描き切らず余韻を残す形でしたが、韓国版は最終盤で明確な教訓を提示している点が異なります。 - 結末のアレンジと追加要素
韓国版は物語後半から原作と大きく道を分かち、オリジナルの展開を超える独自の結末へと突き進みます。原作では主人公がインサイダー取引グループを出し抜いた末に組織が瓦解するオープンエンドでしたが、リメイク版ではヨンミに感化される人物が現れるなど異なる結末が描かれました。さらに、ヨンミと情報屋イ・ヨンシン(イ・ムセン)とのロマンスが追加されている点も大きな脚色ポイントです。原作にはなかった恋愛要素を盛り込むことで、物語にもう一つの見どころ(切ない純愛の行方)が加わり、視聴者をハラハラさせました。
視聴者の間で話題になった演出・小ネタ
『クリーニングアップ』には、視聴者の間で「ニヤリ」とさせられた演出や小ネタも数多くあります。中でも韓国の視聴者の目を引いたのは、劇中に散りばめられた現実の社会事件への言及でした。例えば登場人物たちの会話の中で、前年に韓国社会を揺るがせたLH公社の不正土地投機事件(いわゆる「LH事件」)に触れる場面があります。また、清掃員仲間がパワハラ社員に対し「青瓦台(大統領府)国民請願に訴える」と脅す痛快なシーンもあり、実在の出来事や制度を取り入れた脚本が視聴者の話題をさらいました。原作には当然登場しない韓国固有のネタだけに、ネット上でも「時事ネタを盛り込むなんて粋だ」「妙にリアルで共感した」といった反応が見られました。
他にも細かな遊び心が随所に見られます。先述したインギョンのあだ名「シャロン・ストーン」はその一例で、彼女の抜けた性格と美人ぶりを絶妙に表すこのニックネームには多くの視聴者がクスッとさせられました。また、清掃員トリオがオフィスで繰り広げるドタバタ劇や変装して社内の人間に紛れ込むシーンなどは緊張感の中にもユーモアがあり、視聴者の好評を博しました。ユン監督自身、「コメディシーンが本作の特技」と語るように、要所に散りばめられたコミカルな演出が重厚なサスペンスをいい具合に和らげています。株価チャートの動きに一喜一憂するコミカルな演出や、清掃員たちが内緒話をする時に掃除機の音でカモフラージュするといった小技もユニークで、ドラマファンの間で「細部まで面白い!」と評判になりました。
制作陣が明かしたコンセプトと演出意図
制作発表会やインタビューで、スタッフは本作に込めた狙いをいくつか語っています。メガホンを取ったユン・ソンシク監督は、本作について「隔たり(ギャップ)を扱うドラマだ」と紹介しています。高層ビルで働くエリートと床を磨く労働者、富裕層と庶民、人生で失うもののある人と失うものが何もない人――そうした上と下の階層の隔たりを描き、その中で「持たざる者」が家族や生活を守るために無鉄砲にも挑戦を繰り広げる物語なのだと監督は説明しています。実際ドラマでは、掃除のおばさんとして見下されていたヨンミたちが証券マン顔負けの大胆さで内部情報に手を伸ばし、巨額の金を動かす世界に踏み込んでいきます。その姿は弱者による痛快な逆襲であると同時に、社会の不条理を浮き彫りにする狙いがありました。
脚本を手がけたチェ・ギョンミ作家も、「原作になかった中年女性労働者の連帯を描きたかった」と語っています。原作では一人だった主人公をあえて3人組に増やし、それぞれに異なる事情を背負わせたのは、現代のワーキングマザーたちのリアルを多角的に表現するためです。掃除の仕事に誇りを持つ彼女たちが力を合わせて困難に立ち向かう姿からは、社会で奮闘するすべての人へのエールが感じられます。また、ドラマの終盤でヨンミが娘に語る「お金が少しないくらい、平気よ。不便だけど不幸じゃないの」というセリフには、制作陣が届けたかったメッセージが端的に表現されています。金銭的な豊かさだけが幸せを決めるのではない――本作はエンターテインメント性あふれるサスペンスでありながら、随所にこのような温かなテーマを忍ばせている点で他の作品とは一線を画しています。
最後に、本作の痛快さと人間味はキャストと制作陣の情熱が生んだ賜物です。ヨム・ジョンアはインタビューで「今まで真心を込めて演じた部分が視聴者にしっかり伝わってほしい」と語っていましたが、その願い通り清掃員たちの奮闘劇は笑いと感動をもって多くの視聴者の心に響きました。『クリーニングアップ』は、庶民による逆転劇という痛快なストーリーに加え、ディテールにこだわった演出や社会風刺、小ネタの数々で視聴者を楽しませ、韓国ドラマならではのリメイク成功例として高い評価を得ています。
評価・レビュー
韓国ドラマ「クリーニングアップ」の評価レビュー&感想です。
ストーリーの良し悪し、出演者の演技力、物語の展開、脚本の面白さなどを総合的に評価しています。
もちろん、レビュー&感想の中にも作品に関するネタバレがありますのでご注意ください♪
ネタバレを表示する
タイトルからは予想できない“内部取引”を題材にしたストーリーが、個人的にはとても新鮮でした。ドラマの終盤までハラハラが止まらず、登場人物たちの葛藤と選択に、何度も胸がざわつく作品だったと感じています。
まず、主人公オ・ヨンミ(演:ヨム・ジョンア)を軸に展開される“内部取引”の世界観が大きな特徴でした。証券会社の清掃員という立場を利用し、ちょっとした盗み聞きがきっかけで株価の機密情報を知ってしまう――序盤のこの設定がかなり斬新で、「こういう入り口から不正取引に足を踏み入れる人もいるかも…?」とリアルに想像してしまいました。お金のために危険を承知で一歩を踏み出してしまうヨンミに、視聴者としては「そこまでしなくても…」と思う一方で、生活苦や家族への愛情などを理由に、思わず“仕方ないのかな”と感じてしまうところもありました。
ただ、回を重ねるごとにヨンミがどんどんギャンブル的な行動に走っていく様子には、見ていて歯がゆい気持ちになる場面も少なくありませんでした。とくに仲間であるアン・インギョン(演:チョン・ソミン)やメン・スジャ(演:キム・ジェファ)も巻き込んでしまうあたりは、「もうやめて…!」と声をかけたくなるほど。それでも三人が“お金さえ手に入れば幸せになれる”と信じ続け、危険を承知で突き進む姿は、人間の弱さや欲望をリアルに描いているように思えました。
また、イ・ヨンシン(演:イ・ムセン)のキャラクターも大きな見どころです。ヨンミに対する想いと、自身の職業的リスクとの間で葛藤する姿は、いわゆる“ロマンス”的要素とはまた違う緊張感がありました。彼がどこまでヨンミを助け、どこからは突き放すのか…ギリギリのラインを行き来する展開にドキドキ。実際、ヨンミの行動は危ういばかりなのに、それでも放っておけないヨンシンの人間味が、物語に深みを与えてくれたように思います。
一方、ドラマの後半は内部取引の規模がどんどん大きくなり、周囲の人物も巻き込まれていくため、まるでサスペンスのような要素が強まっていくのが印象的でした。違法行為を続けるキャラクターたちに対して、ときには「どうしてこんな選択を…」と思いながらも、彼らが背負う事情や思いを考えると一概に責められないのが複雑です。最終的には、誰もが“一番大切にしたいもの”を考え直す流れになっていくのですが、その過程で生じる衝突や和解が見どころになっていました。
個人的には、ヨンミが母親としての愛情と“お金への執着”との間で揺れ動く姿に一番興味を惹かれました。視聴中は「子どものため」と言いながら、本当に子どもの幸せを優先しているのか疑問に思う場面もしばしば。一方で、彼女がどれだけ危ない目に遭っても折れずに突き進むパワーと、そばで支えてくれる仲間たちの友情には不思議と胸が熱くなる瞬間がありました。
結論としては、ドラマ「クリーニングアップ」は“株の内部取引”を扱った作品であるにもかかわらず、人間模様や親子・友人間の絆、さらには恋愛要素までたっぷり詰め込まれていて、見応え十分のエンターテインメント作品だったと思います。決して“善人”とはいえない登場人物たちを、最後まで応援していいのか迷いながら見続けてしまうあたりが、このドラマならではの魅力ではないでしょうか。最終的に得られるものは、単なるお金ではなく、“真に守るべきもの”を知ることなのだと、改めて考えさせられました。
以上、ざっくりと全体の感想をまとめてみました。終盤には衝撃的な出来事も続きますが、ラストで見える“少しの希望”に救われた気持ちになります。最後までハラハラしながら視聴できたドラマでしたし、なかなかないテーマで攻めたストーリーなので、まだご覧になっていない方はぜひチェックしてみてくださいね。
作品概要・基本情報
タイトル: クリーニングアップ(原題: Cleaning Up)
放送局: JTBC
放送期間: 2022年6月4日~7月24日(全16話)
ジャンル: ヒューマンドラマ/サスペンス
脚本: チェ・ギョンミ
演出: ユン・ソンシク
主なキャスト:
- ヨム・ジョンア … オ・ヨンミ役
- チョン・ソミン … アン・インギョン役
- キム・ジェファ … メン・スジャ役
- イ・ムセン … イ・ヨンシン役
- ソン・ジェヒ … ユン・テギョン役
作品概要
英国ドラマ『Cleaning Up』のリメイク作品として制作された『クリーニングアップ』は、証券会社で清掃員として働く女性たちが株のインサイダー情報を入手して一発逆転を狙う物語です。生活苦や家族の問題を抱える主人公オ・ヨンミと仲間たちが、犯罪スレスレの株取引に手を染めていくスリリングな展開が見どころとなっています。
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