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第55話は、ユランの反応を見逃さないイニョンの鋭さと、家族を思って流す涙が印象に残る回でした。
第55話のあらすじ
カン家に残る理由がなくなったと話すイニョンに、ユランは「私たちはもう共犯だよ」と言い、手を貸そうとします。ただ、イニョンはその申し出を素直には受け入れません。ユランが自分を助けようとする理由に、疑いを抱いているからです。
イニョンは、以前話していた超音波の設計図がどこにあるのかを尋ねます。ユランはためらうことなく、その場所を教えました。そして今度は、設計図が目的でこの家に入ってきたのかとイニョンに問いかけます。設計図の話をするユランには、動揺する様子がありません。
それでもイニョンは、ユランを信用していないと伝えます。「私の偽の妊娠がばれたら、あなたまで巻き込むと思って私を守ったんだね。私のためじゃなく、自分が助かるために」。イニョンは、ユランが守りたいのは自分自身だと考えていました。共犯という言葉で結ばれていても、相手を信頼しているわけではない二人です。
部屋を出ようとするユランを、イニョンが呼び止めます。「三か月くらい前、携帯電話の持ち主を探しているという電話を受けなかった?」。ところがユランは、覚えていないと答えて部屋を出ていきました。設計図の場所にはあっさり答えたのに、携帯電話の話では反応が違ったのです。
イニョンは、その変化を見逃しませんでした。弟のキム・ジェミンの事故についてユランを疑う中で、今度は彼女の背後に誰かがいるのではないかと考えます。設計図の話には平然としていたユランが、なぜ携帯電話の話で揺らいだのか。その違いが、イニョンの疑いを深めていきます。
一方のユランも、イニョンの目的が気になっていました。超音波の設計図に加え、ドンビンの携帯電話まで探しているイニョン。ユランには、その二つを追う理由がつかめません。助けると口にしながらも、互いに相手が何を知り、何を探ろうとしているのかを気にしています。
そんな中、この日誕生日を迎えたイニョンのもとに、家族からのビデオレターが届きます。疑いを抱えながら過ごしていたイニョンに、離れている家族の言葉が届けられました。母のヤン・スギョンが伝えたのは、娘が背負っているものへの心配でした。
「お父さんの代わりに背負っている荷物が、重すぎるんじゃないかと思って。これからは自分のことだけを考えて生きて。いつも笑ってばかりいないで、泣きたいときは泣いて」。スギョンは、イニョンが自分の気持ちを後回しにしていないかと案じていました。その言葉を受け止めながら、イニョンは何も言わずに涙を流します。
一方、ドンビンとジュニの父カン・ペクサンの妻、ヨ・ヒャンミにも、気がかりなことがありました。深夜のペクサンの様子に異変を感じたヒャンミは、病院を訪ねます。医師に尋ねたのは、認知症と物忘れにはどんな違いがあるのかということでした。
医師は、物忘れの場合はヒントを与えると思い出せるのに対し、認知症の場合は出来事そのものを覚えていないと説明します。その話を聞いたヒャンミは、以前ペクサンから投げかけられた問いを思い出していました。
「もしがんや認知症のような病気になって、君より先に死んだり、正気を失ったりしたらどうする?」。かつて聞いたその言葉が、今のペクサンの様子と重なります。ヒャンミは、夫の身に何が起きているのかという不安を抱えたまま、医師の説明を聞くことになりました。
そこへ、イニョンの様子を気にかけたペクサンから電話が入ります。ヒャンミは、ペクサンの妹ミンジュを家に呼び戻そうかと尋ねました。ペクサンは「戻ってこいと言ったくらいで、戻ってくるようなやつか」と、普段と変わらない調子で答えます。
けれど、その返事を聞いたヒャンミは、声も出せないほど泣き崩れてしまいます。実はヒャンミは、ペクサンが出勤する前にも同じ質問をしていたのです。それなのに、ペクサンはそのやり取りを覚えている様子もなく答えていました。何気ない電話の受け答えが、ヒャンミの不安をいっそう強くします。
また、イニョンは自分を心配するヒャンミに、この家を出ようとする気持ちを伝えます。「赤ちゃんがいるからこの家に入ったのに、もうここにいる理由がありません」。自分の顔を見ると、家族のみんながつらくなるのではないか。イニョンはそう考えていました。
その話に驚いたヒャンミは、「つらいからって家族を捨てるの?」と怒ります。ヒャンミにとって、イニョンはすでに家族の一人でした。ここにいる理由がなくなったというイニョンの言葉を、そのまま受け入れることはできません。ヒャンミは、二度とそんなことを考えないようにと、強く言い聞かせるのでした。
クルミットの感想
今回、気になったのはユランの答え方の違いです。設計図の場所は迷わず教えるのに、携帯電話の話になると覚えていないと立ち去る。この差があると、イニョンが引っかかるのも分かるよね。ただ、背後に誰がいるのかはまだ分からないところ。助けるという言葉だけでは安心できない、二人の距離を感じました。
スギョンのビデオレターには、私もぐっときました。誕生日に、もっと頑張ってではなく、泣きたいときは泣いてと伝えてくれるお母さん。笑っている娘のことも心配しているんだと思うと、イニョンの無言の涙がつらかったです。
ヒャンミの電話の場面も苦しかった。ペクサンは普通に答えているのに、同じ質問をした側には、その普通の返事が怖く聞こえる。まだ病名が確定したわけではないけれど、夫の以前の言葉まで思い出してしまったヒャンミの不安は大きいと思います。
そんなヒャンミが、イニョンには家族だと怒ってくれたことが心に残りました。家を出る理由を数えていたイニョンに、もうここに居場所があると伝える言葉だったよね。偽の妊娠を抱えるイニョンにとって、その温かさはうれしいだけでは済まない気もして、複雑な場面でした。
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