ご訪問くださりありがとうございます!
クルミットです♪
『カーテンコール』は、2022年に韓国KBS2で放送されたヒューマンドラマ・ファミリーストーリーです。余命わずかな祖母の願いを叶えるため、一人の青年が前代未聞の“特別ミッション”に挑むことから始まる物語。その計画は「史上最大の詐欺劇」とも称され、関わる人々の人生を大きく動かしていきます。舞台は現代の韓国――1950年代の朝鮮戦争で家族と生き別れ、生涯その再会を夢見てホテル王となった伝説の女性チャ・グムスン。その孫だと偽って彼女に“最後の贈り物”を届けようとする無名俳優ユ・ジェホンと、計画に巻き込まれる家族たちの運命が、温かさとスリルを交えて描かれていきます。
ドラマは、ただの感動物語にとどまらず「嘘」と「真実」の狭間で揺れる人々の葛藤を通じて、「本当の家族とは何か」「誰かを幸せにする嘘は果たして善なのか悪なのか」を問いかけます。愛する人のためについた嘘が生み出す優しさと罪悪感、そして時間とともに募る後ろめたさ…。登場人物たちは皆それぞれの秘密と思いを抱えながら、嘘でできた“舞台”を演じ続けます。しかし、そんな中でも長い別離を経た家族の絆や、人と人が支え合う温もりが丁寧に紡がれ、観る者の心をぎゅっと掴んで離しません。社会の現実や人生の哀しみをリアルに描きつつも、ラストには小さな光が差し込み、ほろ苦くも心温まる奇跡の結末が待っています。
ただのロマンスやホームドラマではなく、家族・仲間の絆、過去との向き合い、そして「自分の人生をどう生きるか」という普遍的なテーマが込められた作品。笑いあり涙あり、考えさせられる場面の連続で、“ヒューマンドラマ”や“心に残る家族の物語”が好きな方には間違いなくおすすめの一本です。人生の意味や家族の絆に触れたい方に深く響くドラマであり、「人を演じることで誰かの希望になれる」というテーマがじんわり心に染みてきます。大切な人の願いを叶えるためについた嘘から始まる愛と奇跡の物語――ぜひ一度、当ブログと一緒にその感動の結末をのぞいてみてください♪
ここでは『カーテンコール』のあらすじ・ネタバレ感想、見どころを余すところなく紹介し、その尽きない魅力に迫っていきます。
もくじ
カーテンコール あらすじ
物語は、祖国を分断された歴史を背景に持つ韓国屈指のホテルグループ「楽園(ナクウォン)」の創業者チャ・グムスンから始まります。1950年代、北朝鮮から命からがら南に逃れ、愛する夫と幼い息子と生き別れになったグムスン。彼女は南の地で懸命に生き抜き、小さな宿を一代で大ホテルチェーンへと育て上げました。しかし、長年待ち望んだ家族との再会は叶わぬまま、グムスンは末期ガンで「余命3ヶ月」の宣告を受けてしまいます。
時は現代。最愛の祖母グムスンを支える孫娘パク・セヨン(演:ハ・ジウォン)は、ホテル「楽園」の後継者として必死にその名を守ろうとしていました。一方、ソウルの片隅では孤児出身の無名舞台俳優ユ・ジェホン(演:カン・ハヌル)が日々の生計を立てながら小劇場の舞台に立つ生活を送っています。そんなジェホンの元にある日、グムスンの側近だった老人チョン・サンチョル(演:ソン・ドンイル)が現れました。サンチョルがジェホンに持ちかけたのは、「死ぬ前にもう一度、生き別れた北の孫に会いたい」というグムスンの最後の願いを叶えるため、孫リ・ムンソンの身代わりを演じて欲しいという信じられない依頼でした。
戸惑いながらも破格の報酬とサンチョルの熱意に心を動かされ、ジェホンは3ヶ月間“孫ムンソン”になりきる決意をします。こうして、グムスンの前に「北から来た孫」を名乗るジェホンが登場。突然現れた孫にグムスンは驚きながらも喜び、家族たちも再会を祝福します。ジェホンもまた、初めて味わう“家族の温もり”に胸を打たれながら、必死に役を演じ続けます。しかし、心優しい嘘によってもたらされた束の間の幸せの裏で、ジェホンは次第に罪悪感と葛藤に苛まれていきます。自分を本物の孫だと信じて疑わないグムスンやセヨンに嘘をついている現実…。さらに「楽園」ホテルを巡る思惑も絡み合い、長男パク・セジュン(演:チ・スンヒョン)は経営権争いからホテル売却を画策し、セヨンの元婚約者ペ・ドンジェ(演:クォン・サンウ)もまた一族の秘密に気付き始めます。
そんな中、“本物の北の孫”リ・ムンソン(演:ノ・サンヒョン)の存在も暗い影を落とします。彼は北で闇社会に身を沈めている危険な人物であることが発覚し、サンチョルはグムスンに真実を告げられないまま…。誰もが誰かのために嘘をつき、誰もが胸に秘めた想いを抱える中、それぞれの愛と正義が交錯し始めます。果たしてジェホンは最後まで“孫”という役割を演じ通し、グムスンの願いを叶えることができるのか? そして嘘から始まったこの“カーテンコール”の行方は——絶望と希望が綾なすスリリングな物語が、ここに幕を開けます。
「カーテンコール 各話あらすじ」はこちらから
ご覧になりたい話数を押していただけると各話の詳しいあらすじが表示されます。
見どころ
まず一番の見どころは、嘘から生まれる家族愛と心揺さぶるヒューマンドラマの融合です。大掛かりな“詐欺劇”でありながら、その動機は愛する人のためというピュアさに胸を打たれます。孫を装うジェホンが味わう初めての家族団らんの幸せと、それに伴う後ろめたさ…複雑な心理描写がリアルで、「自分ならどうするだろう?」と深く感情移入せずにはいられません。登場人物それぞれが抱える事情にも善悪だけでは割り切れない人間味があり、嘘をつく側・騙される側双方の視点で物語が進むので、見るほどに考えさせられる奥深さがあります。
カン・ハヌル&ハ・ジウォン豪華共演!演技派たちの化学反応も大きな見どころです。主演のカン・ハヌル(ジェホン役)は劇中で“偽物の孫”を演じる俳優という難しい二重の役柄を熱演。嘘を重ねる中で見せる切ない眼差しや、誠実さゆえに苦悩する姿には思わず胸が締め付けられます。一方、ハ・ジウォン(セヨン役)は家族と会社を守ろうと奮闘する凛とした強さで魅せ、時折見せる揺れ動く感情表現が秀逸です。二人は本作で2022年KBS演技大賞のベストカップル賞にも輝いており、その息の合った演技は必見です。また、韓国ドラマ界を代表する名女優コ・ドゥシム(グムスン役)の圧巻の存在感と、ソン・ドンイル(サンチョル役)の渋い味わいが物語に深みを与えています。ベテラン勢から若手まで演技達者なキャストが揃い踏みし、それぞれのキャラクターの人生を説得力たっぷりに体現しているので、どの人物にも感情移入してしまうことでしょう。
そして物語全体を通して流れるテーマは、「嘘から始まった真実の絆」です。最初は演技で繕われた関係だったジェホンとグムスンが、本当の祖母と孫さながらの絆で結ばれていく過程は感動的で、見る者の心に温かな灯をともします。裏切りや秘密が明るみに出るたびにハラハラさせられますが、その度に示される家族の愛情や赦しの力に希望を感じずにはいられません。北と南に引き裂かれた家族の再会という歴史的背景も相まって、“家族とは血か、それとも心か”という問いを自然と突きつけてきます。最終盤にはそれぞれの真実と想いが明らかになり、長年の悲願であった「家族の再生」が遂げられるクライマックスへ。悪人らしい悪人が出てこない分、人間同士の不器用だけれど純粋な優しさが染み渡り、見終えた後には静かな感動と余韻が残ります。
ラストシーンはまさにタイトル通り“人生の最後のカーテンコール”とも言える演出で、涙なしには見られない感動的なフィナーレです。それでも決して後味は暗くなく、むしろ「希望と癒し」に満ちた爽やかなエンディングに心洗われます。嘘も真実もすべて受け止めて前に進もうとする登場人物たちの姿が、観る者にそっと勇気を与えてくれるでしょう。家族愛を描いたヒューマンドラマが好きな方、心温まる物語で泣きたい方、そして「人生の意味」や「家族の絆」に触れてみたい方に深く刺さるドラマです。誰かのために自分を演じ切ることで生まれる希望――そんなテーマが見る者の胸に静かに沁み渡り、自分の大切な人を思わずにはいられなくなるはずです。
キャスト・登場人物
韓国ドラマ『カーテンコール』のキャスト&主な登場人物一覧です。
ユ・ジェホン(演:カン・ハヌル)
「無名俳優が掴んだ人生最大の役柄――それは余命わずかな老婦人の“孫”」孤児院育ちの苦労人で、地方の小さな劇団で細々と舞台に立つ青年。ポジティブで真っ直ぐな性格の持ち主で、役者としては芽が出ないながらも「誰かを幸せにするために演技がしたい」という情熱を秘めています。ある日、グムスンの孫ムンソンの替え玉役という奇想天外なオファーを受け、人生の転機が訪れます。初めはお金のため半信半疑で引き受けた“孫役”でしたが、グムスンの優しさに触れるうちに本当の孫のように情が移り始め…。嘘を演じ続ける苦悩と、「このまま本物の家族になってしまいたい」という想いの狭間で葛藤する姿は切なく、応援せずにいられません。カン・ハヌルが劇中劇を演じる難役を見事にこなし、その繊細な演技から目が離せなくなります。
パク・セヨン(演:ハ・ジウォン)
「亡き両親に代わり楽園を守る孫娘――嘘の先に見つけた愛と葛藤」グムスンの孫で、「ホテル楽園」の若き総支配人。幼い頃に両親を事故で亡くし、祖母に育てられたため、誰より祖母思いで責任感が強い女性です。家業と家族を必死に守ろうとする芯の強さと、仕事人間ゆえのクールさを併せ持ちます。突然現れた“従兄”ジェホン(ムンソン)を最初は警戒するものの、その誠実さに心を開き、次第に惹かれていく自分に戸惑います。ホテル売却を巡る長兄セジュンとの対立や、元婚約者ドンジェからの執着に悩まされながらも、「家族と楽園を絶対に守る」という信念で困難に立ち向かう姿が凛々しいです。ハ・ジウォンが持ち前のカリスマ性で演じるセヨンは気高さと人情味を兼ね備え、ジェホンとの切ないロマンスにも思わず感情移入してしまいます。
チャ・グムスン(演:コ・ドゥシム)
「一代で財閥を築いた伝説のマダム――最期の願いは“北に残した孫との再会”」ホテル楽園グループの創始者にして会長。若き日に戦争で夫と息子と離れ離れになり、南で必死に生き抜いて成功を掴んだ不屈の女性です。愛情深く豪胆な人柄で、孫たちや社員からも慕われる存在。病に倒れ余命宣告を受けても気丈に振る舞っていましたが、心残りは北に置いてきた息子と孫ムンソンの存在でした。そんな折、突然目の前に現れた“孫”ジェホンを最初は半信半疑で迎えますが、やがて本当の孫のように可愛がるように。カリスマと包容力を併せ持つグムスンが、抱えてきた長年の悲しみと向き合うシーンは圧巻で、コ・ドゥシムの円熟の演技に引き込まれます。グムスンの優しくも強い眼差しが物語全体に温かな光を灯し、タイトル「カーテンコール」の意味するところ――人生最後の舞台を見届けるキーパーソンとなっています。
相関図
評価・レビュー
韓国ドラマ「カーテンコール」の評価レビュー&感想です。
ストーリーの良し悪し、出演者の演技力、物語の展開、脚本の面白さなどを総合的に評価しています。
もちろん、レビュー&感想の中にも作品に関するネタバレがありますのでご注意ください♪
ネタバレを表示する
最終回を見届けたあと、私はしばらく余韻から抜け出せませんでした。
このドラマは単なる“家族劇”ではなく、人生そのものを一つの舞台として描いた、静かで深いヒューマンドラマだったと思います。
“偽り”から始まった本物の家族
物語の始まりは、「余命わずかな祖母の最後の願いを叶えるため、無名俳優が“孫のふり”をする」という少し突飛な設定でした。
けれど、回を追うごとにその“嘘”が温かい絆を生み出し、誰もが忘れかけていた“家族の意味”を思い出していく――そんな不思議な魔法がありました。
ユ・ジェホン(カン・ハヌル)は最初、ただの“役者”として演じていたはずなのに、
いつしかチャ・グムスン(コ・ドゥシム)の本当の孫のように彼女を愛し、守り、寄り添うようになります。
血のつながりがなくても、思いやりや優しさが人を家族にしてくれる――このドラマが伝えた最も大きなメッセージでした。
“嘘”で始まった関係が、最後には“真実”を照らす――この逆転の美しさが『カーテンコール』の醍醐味でした。
俳優陣の圧倒的な演技と存在感
主演のカン・ハヌルさんは、やはり圧巻でした。
誠実さと不器用さ、そして温もりを兼ね備えたユ・ジェホンというキャラクターを、
繊細な感情の起伏で見事に表現していましたね。
ハ・ジウォンさん演じるパク・セヨンは、強くて優しい女性の象徴でした。
ホテルを守るために奮闘しながらも、最後は“人の心”を選ぶ彼女の姿に何度も胸を打たれました。
そして何よりも、コ・ドゥシムさん。
チャ・グムスン会長の温かさと、人生の哀しみをすべて背負ったようなまなざし。
たった一言の「ありがとう」で視聴者の心を震わせる、その存在感に改めて感服しました。
サンチョル役のソン・ドンイルさんもまた印象的で、
“忠誠”と“罪悪感”の狭間で揺れる姿がとても人間味にあふれていました。
“人生という舞台”というテーマの深さ
『カーテンコール』というタイトルの通り、
このドラマは“人生を舞台になぞらえた物語”でした。
誰もがそれぞれの役を演じ、誰かを想いながら、いつか“カーテンコール(終演の拍手)”を迎える――。
そのときに大切なのは、何を手に入れたかではなく、
どんな愛を残したか、誰と笑い合えたか。
グムスン会長が最後に見せた穏やかな笑顔は、まさにその答えでした。
彼女の人生は、たくさんの別れと痛みの中にありながらも、
最期には「幸せだった」と言える舞台になったのです。
“生きることは演じること。でも、その演技が誰かの心を温めるなら、それは本物の人生。”
そんな哲学的な余韻を残してくれました。
心に残るラストと、その後の希望
最終回では、グムスンの死という悲しい別れが描かれましたが、
それ以上に“希望”が溢れていたのが印象的でした。
リ・ムンソンは韓国に残る決意をし、
ジェホンは再び“俳優”として自分の道を歩み出し、
セヨンとの新しい関係も穏やかに芽生え始めました。
すべての登場人物が“自分の場所”を見つけ、
それぞれの人生をもう一度歩き出す姿は、まさに人生の再生。
派手な展開ではなく、静かに、でも確実に心に残る最終回でした。
カーテンコールという作品がくれたもの
このドラマを通して感じたのは、“赦し”の大切さです。
人は誰しも過去に傷を抱え、後悔を残します。
けれど、自分や他人を赦すことができたとき、人生はもう一度輝きを取り戻す。
グムスンとリ・ムンソン、そしてジェホン――三人が見せたのは、まさに“赦し合う愛”でした。
それがこのドラマの真のテーマであり、視聴者の心に静かに残る温もりだったと思います。
まとめ:嘘の中にあった真実、悲しみの中にあった希望
『カーテンコール』は派手なサスペンスでも、刺激的な恋愛ドラマでもありません。
けれど、人生の静かな瞬間――人の心が触れ合う一瞬一瞬を丁寧に描いた、
“優しさの物語”でした。
「人は誰かのために演じるとき、一番自分らしくなる」
そんな言葉で締めくくりたいドラマです。
――嘘で始まり、愛で終わる。
それが『カーテンコール』という舞台の、最も美しい真実でした。
撮影秘話&トリビア集 仲良しキャストの裏話
視聴者が思わずニヤリとしてしまう撮影秘話やトリビア、小ネタ・裏話をたっぷりご紹介します。キャスト陣の仲良しエピソードやNG連発の舞台裏、ドラマを彩るロケ地・美術へのこだわり、脚本・演出の制作秘話、さらには視聴者の間で話題になった小ネタや裏設定まで幅広くまとめました。さっそくチェックしてみましょう!
キャストの仲良しエピソード&NG裏話
『カーテンコール』の撮影現場は終始和やかで、キャスト同士の仲の良さが随所に現れていました。主演のカン・ハヌル(ユ・ジェホン役)は、共演のハ・ジウォン(パク・セヨン役)が「驚きやすい性格」なのを知っていて、こっそり背後から驚かせようとイタズラしたこともあったそうです。しかし見事に失敗し、真剣なシーンの合間にもついお茶目な一面が出てしまい、現場を笑わせました。カン・ハヌルといえばムードメーカーでもあり、共演のチ・スンヒョン(セジュン役)らと即興アドリブを繰り出して撮影現場の雰囲気を明るくしていたとのことです。
一方、ハ・ジウォンとカン・ハヌルのコンビは“꽁냥カップル(イチャイチャするカップル)”とも形容され、カメラが回っていないところではお互いにふざけ合って笑いが止まらなくなる仲良しぶりでした。特に第10話で話題となった、ジェホン(カン・ハヌル)が記者に詰め寄られているセヨン(ハ・ジウォン)を守るいわゆる「手首掴みエンディング」のシーンでは、劇中でカン・ハヌルが「누나 괴롭히지 마쇼(うちのヌナをいじめないでくれ〈※年上女性に対する呼称〉)」と男気あふれる一言を放ちセヨンの手首をグッと引いてその場を立ち去ります。しかしカットがかかると、ハ・ジウォンはカン・ハヌルの顔を見た瞬間に吹き出してしまい、真剣なシーンにも関わらず二人で笑ってしまったそうです。ハ・ジウォンは感情を爆発させる演技の最中でも、カン・ハヌルの目を見るだけで笑ってしまったといい、本人たちも思わずNGを連発する微笑ましいハプニングとなりました。
演技派ベテランのソン・ドンイル(チョン・サンチョル役)もまた、現場を盛り上げた立役者です。ソン・ドンイルはアドリブの名人で、第9話では彼の助言によりカン・ハヌルが手の動きを加えた芝居に挑戦しましたが、リハーサル中にカン・ハヌルもハ・ジウォンも笑いを堪えきれずNGに。テイク2で仕切り直す一幕もありました。また別のシーンでは、ソン・ドンイルが台本にない即興セリフをさらりと差し込み、共演者たちを驚かせたこともあったそうです。例えばセヨンの作業部屋での撮影では、飾ってある絵画に興味津々の様子を見せつつ、当時を懐かしむサンチョルとしてグムスン(コ・ドゥシム)の思い出を語る場面で独自のアドリブを入れ、共演者を「さすが!」と唸らせたと伝えられています。こうしたベテランの遊び心に若手も触発され、現場は常に笑い声が絶えなかったようです。
撮影現場のチームワークの良さは、ゲスト出演者から見ても明らかでした。第9〜10話に特別出演し、熱血記者役を演じたキム・ガンヒョンは、短い参加ながら「現場の雰囲気が本当に良かった」と太鼓判を押しています。さらに制作サイドが公開したメイキング映像などからも、主要キャスト同士が和気あいあいと会話したり、冗談を言い合ったりする様子が確認できます。「出演者全員好き」「メイキング映像が面白い」「ところどころのアドリブが見ごたえある」といった韓国視聴者の声も寄せられており、ドラマ本編だけでなく舞台裏までもがファンを楽しませてくれました。
撮影ロケ地&美術セットのこだわり
物語の重要な舞台となるホテル楽園(ナクウォンホテル)は、その豪華さが視聴者の目を引きましたが、実はロケ地には仁川・永宗島にある「パラダイスシティ」ホテルが使用されています。劇中では「釜山・海雲台(ヘウンデ)ビーチ沿いにオープンした超高層ホテル」という設定ですが、撮影自体は仁川の高級リゾートホテルで行われました。ホテルロビーに飾られた巨大なカボチャのオブジェはこのホテルの象徴的なアートで、劇中でも印象的に映し出されています。劇中で「VVIPルームは一泊2,000万ウォン(約2千万円)」とも言及され話題になりましたが、これは実際のパラダイスシティホテルの超高級スイートルームをモデルにしているようです。現実でも一度は泊まってみたい豪華なお部屋ですね✨。
また、第1話冒頭には1950年の朝鮮戦争下での興南(フンナム)撤退のシーンが描かれています。避難民が港に殺到し、グムスン(若き日のハ・ジウォン)が夫(若き日のカン・ハヌル)と幼い息子とはぐれてしまうこの場面は、韓国映画『国際市場で逢いましょう』(2014年公開)冒頭の興南撤収シーンを彷彿とさせる迫力で再現されました。実際にエキストラを大勢投入した大規模ロケが行われ、製作費の相当な部分をこの撮影に費やしたとも報じられています。その甲斐あって、戦場の混乱と家族が引き裂かれる悲劇がリアルに描かれ、視聴者の胸を打ちました。
興南で生き別れた家族の物語を象徴するように、劇中のホテル「楽園」は灯台をモチーフに設計されています。グムスンおばあちゃんは「行方知れずの家族がいつか岸辺に帰り着けるように」との願いから、新しいホテルを灯台のようなデザインにするよう指示した設定で、実際に劇中のホテル外観には高層タワーに灯台風の構造が見て取れます。さらには、第1話で描かれた1950年代の「楽園旅館」(グムスンが南側で営んでいた小さな宿)のセットも注目です。海辺のバラックが立ち並ぶ港町のオープンセットを制作し、そこから現代のガラス張りの高層ホテルへと時代がワープする演出は、多くの視聴者を唸らせました。当時の街並みから現在のリゾートホテルへの対比が、グムスンの長い人生と発展を象徴しており、美術スタッフのこだわりが感じられるポイントです。
脚本&演出の制作秘話
本作の脚本を手掛けたチョン・ソンゴル作家と、メガホンを取ったユン・サンホ監督は、本作に込めたテーマとして「分断国家の悲劇」と「家族の絆」を挙げています。ユン監督はインタビューで「分断された祖国の痛ましい現実から、離散家族の悲痛な思いまでしっかりと描こうと努めた」と語っており、韓国にしか存在し得ない独特な題材を通じて全世界の視聴者に深い感動を届けたいと抱負を述べています。その言葉通り、祖国分断という重いテーマを背景にしながらも、本作は温かな家族ドラマとして仕上がっており、「泣けるけれど心が温まる物語」として高評価を得ました。
ドラマの韓国語タイトルは『커튼콜: 나무는 서서 죽는다』で、日本語に直訳すると「カーテンコール:木は立って死ぬ」となります。この副題「木は立って死ぬ」は、戦乱で全てを失ってもなお毅然(きぜん)と立ち続けるグムスンおばあちゃんの人生を象徴するフレーズとして捉えられています。実はスペインの戯曲『木は立って死ぬ』(1949年)にも戦争で離散した祖母と孫の物語が描かれており、本作の着想源になったのではないかとも囁かれています(公式に語られたわけではありませんが、物語の構造がよく似ています)。脚本家のチョン・ソンゴル氏自身は、もともと映画『青年警察』や『ヒットマン』などを手がけた経歴があり、本作で初めてドラマの執筆に挑戦しました。彼の描くストーリーは「斬新かつ興味深い設定で、一気に読ませる温かい台本だった」と主演のカン・ハヌルも称賛しており、緻密な脚本とベテラン演出家の手腕が合わさって、『カーテンコール』ならではの感動的な作品世界が作り上げられたのです。
視聴者が盛り上がった小ネタ&裏設定
ドラマ本編の随所に散りばめられた小ネタや裏設定も、ファンの間で大いに話題になりました。まず、物語終盤の感動的な再会シーンには1983年にKBSで放送された「離散家族再会特別番組」へのオマージュが見られます。劇中でグムスンおばあちゃんが念願の北側の孫ムンソン(ノ・サンヒョン)と劇的な再会を果たす場面は、実際に1983年に放送され大反響を呼んだ離散家族再会番組『尋ね人』を彷彿とさせ、「ドラマを越えて現実の歴史を思い出した」と多くの視聴者の心を震わせました。同番組は朝鮮戦争で離散した家族をスタジオで再会させる感動の企画であり、『カーテンコール』もその雰囲気を取り入れることで、作品に一層のリアリティと深みを与えています。
また、第10話でジェホン(カン・ハヌル)がセヨンに想いを告白する直前、自身のジャケット裏に英語で書かれたメッセージを小声で読み上げるシーンがあります。実はこの英語の台詞、カン・ハヌルのアドリブだったことをご存知でしょうか? ハ・ジウォンの衣装背面に書かれていた英文にカン・ハヌルが気づき、休憩中に読み上げてみせたところスタッフにウケたため、本番のテイクでも彼がさりげなく英文をつぶやく演技を付け加えたのだそうです。監督もこの遊び心をOKとし、そのまま放送に使われました。カットがかかった直後、共演者たちはみな笑ってしまい和やかな空気に包まれたといいます。「『英文を読むアドリブ可愛い!』」とこのシーンを絶賛するネットユーザーの声も上がり、カン・ハヌルのサービス精神とユーモアが光る名場面となりました。
さらに、視聴者の間で「あの俳優が特別出演していた!」と話題になったのが、女優のペク・ジンヒのカメオ出演です。ペク・ジンヒは終盤に登場するリ・ムンソンの妻チンスク役でサプライズ出演し、短い出番ながら圧巻の演技を披露しました。実際の撮影では本番前から役になりきり、綿密に動きを確認して現場入りしたため、メガホンを取ったユン・サンホ監督も「特別出演以上の存在感」と舌を巻いたそうです。ペク・ジンヒ本人も「監督님(監督)やノ・サンヒョンさんがリラックスさせてくれたおかげで無事撮影を終えました。重要なシーンなので少しでも力になれればという思いでした」と語り、「最後まで『カーテンコール』をたくさん愛してください」とコメントを残しています。彼女の熱演は視聴者にも強い印象を残し、「こんなところにペク・ジンヒ!」「さすがの演技力」とSNS上でも話題になりました。
最後に、作中で悪役らしい悪役が登場しない点も隠れたトリビアです。序盤こそ財産争いに揺れる家族ドラマの様相ですが、物語が進むにつれ登場人物たちそれぞれの事情や本心が明かされ、最終的には「出てくる人みんな憎めない」優しい結末へと向かいます。ホテル売却に固執していた長男セジュン(チ・スンヒョン)にも家族への複雑な愛情があり、元婚約者ドンジェ(クォン・サンウ)も最後には株を譲ってセヨンに謝意を示すなど、誰一人として完全な悪人はいない物語でした。こうした「勧善懲悪に頼らないドラマ展開」も視聴者には新鮮に映り、「心に沁みる優しいドラマだった」との声が多く聞かれました。
以上、『カーテンコール』の撮影秘話・トリビアをまとめてご紹介しました。キャストの仲睦まじいエピソードから、作品世界を支えたロケ地やセットの裏側、制作陣の想い、そしてファンの間で語り継がれる小ネタまで、知ればますます『カーテンコール』が好きになるエピソードばかりだったのではないでしょうか。舞台裏を知ってから改めてドラマ本編を見返すと、新たな発見があるかもしれません。最後までお読みいただきありがとうございます♪ どうぞ皆さんも『カーテンコール』の世界を存分にお楽しみください!
基本情報
タイトル | カーテンコール(커튼콜) |
---|---|
英語タイトル | Curtain Call |
放送 | KBS2(月火ドラマ) |
放送年 | 2022年10月31日~12月27日 |
話数 | 全16話 |
ジャンル | ヒューマンドラマ・ファミリー |
演出 | ユン・サンホ |
脚本 | チョ・ソンゴル |
主な出演 | カン・ハヌル(ユ・ジェホン役) ハ・ジウォン(パク・セヨン役) コ・ドゥシム(チャ・グムスン役) ソン・ドンイル(チョン・サンチョル役) クォン・サンウ(ペ・ドンジェ役) チョン・ジソ(ソ・ユニ役) ノ・サンヒョン(リ・ムンソン役) ほか |
コメント