暗行御史-アメンオサ あらすじを感想付きで全話ネタバレで詳しく紹介!

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『暗行御史 アメンオサ 朝鮮秘密捜査団』は、2020年12月21日から2021年2月9日までKBS2で放送された時代劇です。
朝鮮王朝時代、王の命により秘密裏に地方を巡回し、不正を糾明する“暗行御史”たちが、豪族や両班(ヤンバン)による横暴、さらには王宮内部の権力争いまでを巻き込みながら、“本当の正義”を追い求めていく物語。
庶民を苦しめる支配者層の陰謀、愛と友情、さらには国家を揺るがす大事件までも複雑に絡み合い、息つく暇もない“マクチャン(突飛な展開)”の要素がふんだんに盛り込まれています。これまでも多彩な時代劇や骨太な作品を手がけてきた名スタッフが参加しており、社会的影響力を持つ者たちの欲望がもたらす悲劇や、そのさなかで交錯する忠義と裏切りを深く描き出している点が大きな魅力です。序盤から緊迫感あふれる人間模様が描かれ、一度踏み入れたら後戻りできない状況に追い込まれていく登場人物たちの運命から目が離せません♪

本作で大きな見どころとなるのは、やはり“王の密命を受けた秘密捜査官”という暗行御史の存在です。厳格な朝廷の制度を背景に、庶民の目線で不正を糾明しようとする彼らの奮闘は圧巻。監察対象である地方官僚や豪族たちとの攻防戦はもちろん、ときに彼らを翻弄する権力者が潜む王宮の内幕までも描かれ、“正義と権力の板挟み”の中で揺れ動く人間の心理をダイナミックに映し出します。権謀術数渦巻く宮廷や地方行政の裏側が次々と暴かれ、そのスリリングな展開こそが本作の大きなエッセンスです♪

また、本作にはベテランから若手まで、多世代の俳優陣が集結しているのも見逃せません。彼らが演じるキャラクターたちは、それぞれが秘密や野望を抱えながらも、最終的には“正義とは何か”“忠義とは何か”という問いに行き着きます。絶対的権力を傘に横暴を極める地方官や両班の存在感は圧倒的で、彼らの謀略に立ち向かう暗行御史たちの執念やチームワークとの壮絶な対峙は見応えたっぷり。視聴者からも「最後までハラハラドキドキが止まらない」と好評で、ダークでありながら痛快な時代劇として高く評価されています♪

ここでは、『暗行御史-アメンオサ』の全体的なあらすじ・ネタバレ感想、そして注目すべき見どころを余すところなくご紹介していきます。
地方の豪族に搾取され苦しむ民衆を救うべく、“秘密捜査”を遂行する暗行御史の活躍、権力者同士の壮絶な陰謀や策略、さらに絶体絶命の窮地から立ち上がる忠義の行方……。
愛憎や欲望が交差する危険な罠と、“己が命をかけても真実を暴く”という暗行御史の覚悟が、どのような結末を迎えるのか。最終回に向けて高まっていく権力と正義の対決を、ぜひお見逃しなく♪

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暗行御史-アメンオサ あらすじ

時は朝鮮王朝時代。科挙(官吏登用試験)に首席合格しながらも、現在はすっかりやる気を失って日々を漫然と過ごしている青年ソン・イギョム(キム・ミョンス/L)。ある夜、官職に就いていながらも賭博に興じていたところを見つかり、重い処罰が下されそうになるが……。
まさに窮地に立たされた彼に、思いがけない“密命”が下される。王の代理として地方を巡り、官僚たちの不正を暴く“暗行御史”の任務を言い渡されたのだ。首都・漢陽(ハニャン)での怠惰な生活から一転、秘密捜査官として地方へと派遣されるイギョム。そこで待ち受けるのは、横暴な官吏と豪族たちの権力争い、そして民衆を苦しめる数々の不正。
不本意ながらも“暗行御史”としての仕事を始めることになったイギョムは、美貌と機知を兼ね備えた女性捜査官ホン・ダイン(クォン・ナラ)や、忠誠心あふれる従者パク・チュンサム(イ・イギョン)とともに、腐敗や陰謀の闇を追い詰めるべく奔走していく。自堕落な日々を送っていた男が国の運命を左右する重大な任務を背負うことになり、予想だにしなかった波乱の旅が幕を開けるのだった――。

暗行御史-アメンオサ-各話あらすじ」はこちらから

ご覧になりたい話数を押していただけると各話の詳しいあらすじが表示されます。
こちらはオリジナル全16話版で書いていますが、テレビ東京版は全21話となっておりますので、ご注意ください。

見どころポイント

1.痛快な“秘密捜査”アクション
本作最大の魅力は、なんといっても「暗行御史」という王直属の秘密捜査官による痛快な活躍です。普段は公に知られることなく地方を巡り、権力をかさに好き勝手に振る舞う豪族や官吏を取り締まるという独特の設定が、物語をよりスリリングに盛り上げます。お堅い時代劇かと思いきや、想像以上にアクションやミッション要素がふんだんに盛り込まれており、テンポ良く展開されていく“捜査パート”が見応え抜群です。

2.個性派チームの“ケミストリー”
ソン・イギョム(キム・ミョンス/L)・ホン・ダイン(クォン・ナラ)・パク・チュンサム(イ・イギョン)のトリオが醸し出す掛け合いがコミカルで楽しく、見どころのひとつ。とくに、科挙に首席合格しながらもやる気のない“自堕落青年”イギョムと、美貌と正義感を兼ね備えた“女暗行御史”ダイン、そして忠誠心あふれる従者チュンサムが織りなすトリオ関係が絶妙。異なるキャラクター性を持つ3人がぶつかり合いながらも、お互いを補完し合ってミッションを成功へ導く姿は痛快そのものです。

3.権力に挑む“暗行御史”の正義感
「暗行御史」は、“不正を糾弾する王の密命”を帯びるという重要な任務を背負うため、単なるヒーローものではなく“時に命をかけた使命感”が強調されます。地方の豪族たちによる横暴や、賄賂まみれの地方官吏が庶民を苦しめる構図は、当時の社会問題を浮き彫りにするリアリティを孕み、ストーリーに説得力を与えています。
一方で、危険を顧みず腐敗を暴こうとする暗行御史たちの“正義”と“覚悟”がドラマの縦軸となり、視聴者は彼らを応援せずにはいられません。

4.笑いと緊張感の絶妙なバランス
序盤から、コミカルなやりとりやハプニングによって笑いを誘いながらも、一転して権力者の陰謀が牙をむくシーンではピリッとした緊迫感が漂います。コメディ×ミステリー×時代劇がバランスよく融合しているため、一話ごとに飽きることなく観進められるのが本作の魅力。
ヒヤッとする展開が続いたかと思えば、登場人物同士のほのぼのしたやりとりでほっと一息つけるなど、“緩急”が効いたストーリー運びが大きな見どころです。

5.華麗な時代劇の世界観と衣装
朝鮮王朝を舞台にした作品ならではの豪華な衣装や美術セットも楽しめます。官服をまとった朝廷の重臣たちや、華麗な女性の装いが彩る宮廷の風景、そして地方の市井の人々が暮らす街並みなど、画面を通じて当時の世界にどっぷりと浸れるのも時代劇の醍醐味。
さらに密命捜査に出る“暗行御史”が見せる変装シーンや、作戦を遂行するためにあえて身分を偽る場面など、衣装チェンジも多彩に盛り込まれており、ビジュアル面でも十分に楽しませてくれます。

“陰謀渦巻く中、正義を貫くために命懸けで挑む暗行御史たち”というテーマは、時代劇好きの方のみならず、ミステリー好き・アクション好きな方にも刺さる内容。コミカルなやりとりとスリリングな展開を巧みに織り交ぜた『暗行御史-アメンオサ』は、まさに“ハラハラドキドキ”と“スカッと爽快”を同時に味わえる魅力的な一作です。ぜひ、3人のチームワークと痛快な捜査劇をお見逃しなく♪

キャスト・登場人物相関図

韓国ドラマ『暗行御史 アメンオサ』のキャスト&主な登場人物一覧です。

キム・ミョンス(エル) / ソン・イギョム役


人物像
朝鮮王朝の科挙(官吏登用試験)で首席合格を果たしながらも、現在はやる気のない“自堕落青年”。
ある夜に賭博をしていたところを見つかり、処罰の代わりとして“暗行御史”に任命されるという波乱の運命をたどる。
見どころ
もともと優秀で頭の回転が速いため、いざ暗行御史として動き出すと鋭い観察力を発揮。のらりくらりとした態度とは裏腹に、いざという時の頼もしさとのギャップが魅力的です。

クォン・ナラ / ホン・ダイン役


秘密捜査を担当する美貌の女性捜査官。普段は妓生(キーセン)としての身分を偽装して動き、諜報や潜入が得意。
聡明で正義感が強く、ソン・イギョムと時に衝突しながらも共にミッションを遂行する相棒的存在。
見どころ
女性捜査官ならではの柔軟な手腕を発揮する場面が多数。男社会で自分の実力を証明していく“かっこよさ”と、時に見せる繊細な表情のギャップが印象的です。

イ・イギョン / パク・チュンサム役


人物像
ソン・イギョムの忠実な従者にして、チームのムードメーカー。
主君のわがままや無茶振りにもめげず、慌てふためきながらも最後まで支え抜く姿がユーモラスかつ愛らしい。
見どころ
三枚目のコミカルキャラとして物語に笑いをもたらす一方、危険な局面では体を張って仲間を守る男気も。ほのぼの要素と熱さを兼ね備えた存在感が魅力です。


テレビ愛知様より引用

評価・レビュー

韓国ドラマ「暗行御史-アメンオサ」の評価レビュー&感想です。
ストーリーの良し悪し、出演者の演技力、物語の展開、脚本の面白さなどを総合的に評価しています。
もちろん、レビュー&感想の中にも作品に関するネタバレがありますのでご注意ください♪

ネタバレを表示する

痛快なエンターテインメント性と心温まる人間ドラマが同居した作品でした。時代劇の華やかさや陰謀渦巻く背景がありつつも、ユーモアやアクション、そして登場人物同士の絆が大きな魅力になっていました。
コミカル担当のチュンサムや、凛とした強さを持つダインなど、キャラクター一人ひとりが個性的で愛らしかったです♪
また、放蕩官僚だったイギョムが暗行御史として民を救う過程で、弟イボムとの対立や、権力者との熾烈なバトルが繰り広げられる一方で、
「本当の正義とは何か?」
を問いかける作品でもあったように思います。愛する人を守るため、時には法を超えようとする弟のイボムと、法の力で不正を正そうとするイギョム。兄弟の絆がぶつかり合う展開は、最後まで目が離せませんでした。
そして個人的には、ダインとイギョムの関係が少しずつ近づいていくロマンス要素にもキュンとさせられました。
最初は衝突ばかりだった二人が、お互いを認め合いながら協力し合う様子がとても微笑ましかったです。
結末に向かっては、悪徳官僚を暴いて“暗行御史”らしい痛快なフィニッシュを見せてくれますが、同時に「まだまだ暗行の旅は続くんだな」と思わせる余韻も残しますよね。ここまで気持ちよくまとめられると、スピンオフや続編も期待したくなってしまいます。
コミカルもシリアスも楽しめる時代劇を探している方にはぴったりのドラマだと思いました!
コミカルなやり取りに笑い、熱い展開に手に汗握り、最後には心がポカポカするような作品でしたね。まだご覧になっていない方は、ぜひチェックしてみてください♪

OST・主題歌

今回のOSTで特に注目したいポイントは、ストリングを担当するWith Stringの美しい演奏はもちろん、トランペット奏者Konstantinさん、ギター奏者Tommy Kimさん、そして歌手であり作曲家で演奏者のハリムさんによるホイッスル演奏など多彩な音色が揃っているところ。どれもドラマの世界観にぴったりマッチしていて、本編の場面を思い出させてくれます。
曲名タイトルを押すとYouTubeにリンクするようになっています。

01. I’ll Find You – 엔플라잉(N.Flying)

こちらは作詞・作曲・編曲を有名作曲家のユン・イルサン氏が手掛けた曲。パワフルなバンドサウンドとエモーショナルなメロディが特徴です。
エンディングや印象的なシーンに流れたときの高揚感が思い出されます。

02. MY LOVE – 이선

ギタリストやピアノのアレンジが美しく、甘いヴォーカルが心地よい一曲。劇中で淡いラブシーンを彩った記憶があります。

03. 우연히 스쳐지나도 – ALICE(송주희)

優しいメロディとALICE(송주희)さんの透き通る歌声が印象的。サビの盛り上がりが心にしみますね。

04. Moonlight – 그나

今回のOSTで新曲として収録されたのがこの「Moonlight」。この曲、ドラマ内で流れた記憶があるような、ないような…? ちょっと聞き逃していたかもしれません。

05. 암행어사 출두요 (춘향가 중에서) – 이승훈

タイトルからして韓国の伝統音楽要素が濃い一曲。国楽(韓国伝統楽器)の演奏が加わり、時代劇らしい雰囲気を存分に味わえます。

06. New wave (DRAMA TITLE) – 이지용, 최재우

ドラマタイトルのメインテーマ的存在。壮大なストリングやトランペットで始まるオープニングが思わず鳥肌もの。
“これから何かが始まる”というワクワク感が詰まっています。

07. 비밀수사대 – 이지용

主人公たちが秘密捜査に乗り出す場面で流れる、とてもスリリングな曲。トランペットやギターが疾走感を演出していて、聞いていてテンションが上がります。

08. 암흑 (暗黑) – 이지용

ダークな雰囲気を醸し出す一曲。ハリムさんのホイッスルやチェロソロの深みある音が相まって、緊張感を高めてくれます。

09. 폭풍의 시간 – 최재우, 이지용

10. 진검승부 – 이지용

11. 춘삼이가 간다! – 이지용

12. 좌충우돌 어사단 – 이지용

13. 지울 수 없는 눈물 – 최재우, 이지용

この13曲目「지울 수 없는 눈물(消せない涙)」は個人的に最高傑作だと思っています。劇中の涙があふれる感動シーンをさらに引き立ててくれた一曲。聴けばあの名場面がよみがえります。

14. 내 작은 바램 – 이지용

15. 다가가고 싶어요 – 이지용

16. Let’s Start Now – 김의용, 이지용

17. 저잣거리 사람들 – 이지용

18. 피할 수 없는 길 – 최재우, 이지용

19. 어긋난 시간 – 이지용

20. 고요한 외침 – 최재우, 이지용

21. 또 다른 희망을 위하여 – 이유희, 이지용

上記のように全21曲が収録されたフルアルバム仕様。既に先行配信されたエンフライング(N.Flying)の「I’ll Find You」をはじめとするOST全曲はもちろん、新曲『Moonlight』も加わりました。さらに『공주의 남자(姫の男)』『조선 총잡이(朝鮮ガンマン)』など、数々の作品で高評価を得てきたイ・ジヨン音楽監督によるスコア曲(17曲)がぎっしり詰まっています。

ドラマを見終わった後でも余韻に浸れる最高のOST!
ドラマ『暗行御史-朝鮮秘密捜査団-』はとにかくテンポが良く、コミカルなシーンとシリアスなシーンのバランスが絶妙でした。OSTも同じく、聴いていて元気になれる曲、しっとりしたバラード調の曲、緊迫感のある曲などバラエティ豊かな構成で最後まで飽きさせません。
特に個人的にはストーリー終盤のクライマックスを盛り上げた13. 지울 수 없는 눈물に胸を打たれました。視聴率14.0%を叩き出した人気ドラマを支えた音楽だけあって、どの曲もとても完成度が高く、ファンならずとも一聴の価値があると思います。

ドラマ放送が終了した今でも、このOSTを流せば一気に“暗行御史”の世界へダイブできるはず。聴いていると「また最初からドラマを見返したい…」という気分にさせてくれます。名曲ぞろいで、ぜひプレイリストに加えて楽しんでみてはいかがでしょうか。

暗行御史(アメンオサ)とは?暗行御史の歴史的背景

そもそも暗行御史とは何だという方も多いのではないでしょうか?
暗行御史(암행어사、アメンオサ)とは、朝鮮王朝(1392年~1897年)の秘密捜査官のことを指します。王の命を受け、地方の不正を暴き、民の声を聞くために全国各地を巡回する特別な官職でした。彼らの活動は、腐敗した官僚を摘発し、王の威厳を地方にも行き渡らせることを目的としていました。
歴史的背景を知ることによってより物語を楽しめると思いますのでご紹介させていただきます。

1. 暗行御史の誕生と役割
(1)誕生の背景
朝鮮時代は中央集権国家であり、国王が統治の頂点に立っていました。しかし、広大な領土を効率的に管理することは容易ではなく、地方の官僚たちはしばしば権力を乱用し、賄賂や汚職が横行していました。このような問題を是正するため、国王直属の監察官として暗行御史制度が確立されました。

この制度が本格的に導入されたのは、成宗(ソンジョン)王(在位:1469年~1494年)の時代です。その後、光海君(クァンヘグン)、粛宗(スクチョン)といった歴代の王もこの制度を積極的に活用し、腐敗官僚の粛清に力を入れました。

(2)役割と活動
暗行御史の主な任務は以下の通りです。

地方官僚の監視・査察

地方の役人が適正に職務を遂行しているかを調査
賄賂の受け取りや税の不正徴収を摘発
公平な裁判が行われているかを監視
民衆の声を聞く

一般庶民の暮らしを観察し、不満や陳情を聞き取る
直接、国王に報告することで民の訴えを中央政府へ届ける
地方の経済・軍事状況の確認

農業生産や租税の徴収状況を監査
地域の軍備や治安維持の実態を調査
2. 暗行御史の特徴
(1)身分を隠して地方を巡回
暗行御史は「密偵」のような存在だったため、身分を偽り、庶民のふりをして地方に潜入しました。通常は学者や旅人、商人などに扮し、地方役人に気づかれないように行動しました。

しかし、必要な時には王の勅命を示す証書「馬牌(マペ、마패)」を取り出し、自身が国王直属の監察官であることを明かしました。馬牌は暗行御史の身分証明書であり、これを提示すると地方の役人たちは逆らうことができませんでした。

(2)随行者として「書記」と「捕盗(ポド)」を帯同
暗行御史は単独行動ではなく、通常2人の随行者を連れていました。

書記(ソギ、서기)

記録を取る役目。暗行御史の報告書作成を補佐。
調査した内容を整理し、王へ提出するための正式文書を作成。
捕盗(ポド、포도)

護衛役であり、御史を守る任務。
必要に応じて悪徳官僚の拘束や処罰も担当。
3. 有名な暗行御史
(1)実在した代表的な暗行御史
歴史上、特に有名な暗行御史には以下の人物がいます。

朴文秀(パク・ムンス、박문수、1691年~1756年)

英祖(ヨンジョ)時代に活躍した暗行御史。
貧しい庶民のために腐敗した役人を摘発し、「庶民の英雄」として語り継がれる。
彼の活躍は多くの韓国ドラマや小説の題材になっている。
金昌集(キム・チャンジプ、김창집、1648年~1722年)

粛宗(スクチョン)王の時代に派遣された暗行御史。
官僚の腐敗だけでなく、税制改革の提言も行い、後の政策に影響を与えた。
4. 暗行御史制度の廃止
暗行御史制度は約400年間続きましたが、19世紀末の大韓帝国(1897年~1910年)の成立とともに廃止されました。その理由としては、以下の要因が挙げられます。

地方行政の近代化

19世紀後半になると、中央集権体制が変化し、地方の官僚制度も変わった。
監察システムが強化され、暗行御史のような秘密捜査官が不要になった。
日本の植民地支配(1910年~1945年)

1910年の日韓併合により、朝鮮王朝の伝統的な制度が廃止された。
日本の警察制度が導入され、暗行御史の役割は消滅した。
5. 韓国ドラマや映画における暗行御史
暗行御史は韓国の歴史ドラマにおいて非常に人気のある題材です。特に、庶民のために悪徳役人と戦うヒーロー的な存在として描かれます。

代表的なドラマ・映画:

『暗行御史:朝鮮秘密捜査団』(2020年、KBS)

コメディ要素を交えながら、若き暗行御史の活躍を描く。
主演:キム・ミョンス(エル)、クォン・ナラ

『イルジメ~一枝梅』(2008年、SBS)

幼少期に家族を失った主人公が、庶民のために悪と戦う物語。
暗行御史に近い役割を持つキャラクターが登場。
『ホン・ギルドン』(2008年、KBS)

朝鮮王朝の義賊ホン・ギルドンが、腐敗した政府と戦うストーリー。
暗行御史と共闘する場面がある。

6. まとめ
暗行御史は、朝鮮王朝時代における王の目と耳として地方の監察を担当した特別な官職でした。賄賂や不正を正し、庶民の声を王に届ける役割を果たした彼らは、韓国史において「正義の象徴」として語り継がれています。
現在でも韓国ドラマや映画の題材として人気があり、その伝説的な活躍は多くのフィクション作品に影響を与えています。

このような背景を理解することで、ドラマ『暗行御史 アメンオサ:朝鮮秘密捜査団』もより深く楽しめるでしょう!

作品概要・基本情報

韓国語タイトル:암행어사: 조선비밀수사단
日本語タイトル:暗行御史(アメンオサ): 朝鮮秘密捜査団
英語タイトル:Royal Secret Agent / Secret Royal Inspector など(メディアにより異なる)
放送局:KBS2
放送期間:2020年12月21日 ~ 2021年2月9日
放送回数:全16話(日本放送21話)

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